いま、子どもから青年、親世代から高齢者に至るまでの多世代が、
一人ひとりの 「こども」 に寄り添い、子どもの本質を見つめ「こどもを学ぶ社会」が求められています。
日本こども成育協会は、次代を担う子ども(0 歳~ 10 歳ごろ)の成長と発達を理解し、子ども一人ひとりが、自立した個人としてひとしく健やかに育つことができるよう、 最適な成育環境(人間・空間・時間・情報システム)の構築を目指します。

子どもの成育環境にあるモノやコトを創り出すことを「こども成育デザイン」と呼んでいます。
「育つ子ども」と「育てる大人」の幸福に配慮した「こども成育デザイン」が、
あらゆる産業やコミュニティにおいて、実現するように本協会は、発達心理学および子どもの成育に関する
諸科学の知見に基づいて製品やサービスの開発、人材育成の支援を行います。

現在、本協会では以下の「 3 つの視点」から子どもを学び、成育環境を構築する事業を行っています。

実績ACHIVEMENTS

ピックアップPICK UP

2024.5.28

『こそだてDAYS』のひろこ先生 『遊び食べ』の上手な対処法を解説!

当協会メディアパートナーの一つである『こそだてDAYS』さんで、こども成育〈食専科〉講座 ディレクターであり管理栄養士の隅弘子さんと協会が記事の監修をしています。

好評の離乳食シリーズに続き、今回のテーマは『遊び食べ』です。

離乳食が始まってしばらく経つと始まる遊び食べ。その原因や対策方法などを解説しています。

https://www.kosodatedays.com/yogomanga/play-and-eat

 

お知らせNEWS

2024.5.28

『こそだてDAYS』のひろこ先生 『遊び食べ』の上手な対処法を解説!

当協会メディアパートナーの一つである『こそだてDAYS』さんで、こども成育〈食専科〉講座 ディレクターであり管理栄養士の隅弘子さんと協会が記事の監修をしています。

好評の離乳食シリーズに続き、今回のテーマは『遊び食べ』です。

離乳食が始まってしばらく経つと始まる遊び食べ。その原因や対策方法などを解説しています。

https://www.kosodatedays.com/yogomanga/play-and-eat

 

2024.5.17

うちの子専属トレーナー認定講座 クラウドファンディングファーストゴール達成記念!5/23(木)20時スタート「うちの子ZOOM相談会・無料LIVE配信☆」

日本こども成育協会は、メディアパートナーの『パパしるべ』さんとパパに向けた資格講座を開発しています。

パパたちがより主体的、かつ自信をもって育児参加できるよう当協会の「こども成育講座」をモニター受講いただいた現役パパの声を取り入れ、パパ向けのオンデマンド資格取得セミナー『うちの子専属トレーナー講座』です。

現在実施中のクラウドファンディングでは、おかげさまでファーストゴールを達成することができました!

それを記念して、『うちの子専属トレーナー講座』の講師陣が子育てのお困りごとに直接お答えするZOOM相談会を無料LIVE配信します!

当協会からは、基礎講座となる子どもの心理発達を担当した理事の沢井佳子先生、「はみがき」トレーナー講座を担当した歯科衛生士でこども成育インストラクターの宗田香織さんが参加します。

また、夫婦間コミュニケーションの心構えを伝える基礎講座を担当した『パパしるべ』編集長の杉山錠士さん、「ワイルドベビー」トレーナー講座の櫻井優司さんも登場!

パパやママはもちろん、育児中でない方の参加も大歓迎です!

詳細はこちら▼
モニター100人目標!はみがきなどに迷えるパパのためのセミナーを開発したい!
https://camp-fire.jp/projects/view/742632
(CAMPFIRE for Social Good)

育休中パパ&ママ必見!子育てのアレコレ相談しよう!うちの子ZOOM相談室・無料LIVE配信!
https://uchinokosenzoku240523.peatix.com/view
(Peatix)

2024.5.16

コクヨ社の「ハローファミリー」コラムに沢井佳子先生の取材記事が掲載されました

当協会理事の沢井佳子先生が、コクヨ社の家族見守りサービス「ハローファミリー」にて、子育てにIoTデバイスを取り入れるメリットや効果的な使い方についてお話しています。

ご一読ください。

規則正しい生活習慣が育む子どもの「考える力」
前編
https://hellofamily.kokuyo.co.jp/view/page/column031

後編
https://hellofamily.kokuyo.co.jp/view/page/column032

2024.5.15

日本こども成育協会公式YouTubeチャンネル 更新しました!

『こども成育講座』で「こどもの心理発達」を学ぶ意味、と『こども成育デザインラボ』等で協会が追求している「こども成育デザイン」について当協会理事 沢井佳子先生が解説しています。
 
是非ご覧ください。
 
【3分で解説!】こども成育講座_なぜ発達心理学を学ぶのか?
【3分+で解説】こども成育デザインとは?

ブログBLOG

2024.7.16

今年もたくさん実ってきました(栽培活動✖️食育レポート)

こんにちは。一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクターの隅弘子です。

毎年、私が講師をしている専門学校の授業でトマトとパプリカの栽培を行っています。

 

今年は暑い日が続くことが幸いして、まさに「鈴なり」の実のつき方です。

収穫期に入りましたので、「保育者の卵たち」の反応などをレポートしてみたいと思います!

トマト=ミニトマトだと思っていた!?

栽培しているのは、中玉トマトサイズの高リコピントマトとミニパプリカでした。

けれど、だんだん何を育てていたか忘れてしまうほどの成長に、学生たちも驚いていました。

 

「こんなに大きくなるの?(トマト班)」

「こんなに小さくて大丈夫?細いよ(パプリカ班)」

 

トマト班の学生は、「トマトを育てるといえばミニトマト」と想像していたようです。

また、パプリカ班は「パプリカ=スーパーで売っているような巨大な大きさ」といった思い込みがあったようです。

 

実際の園児たちも、自分なりの経験値からおおよその野菜の大きさを把握していることでしょう。

実際に自分たちで育ててみると、「さまざまな品種があること」や「大きさが一定ではない」ということに気づきます。

スーパーで陳列されているようなサイズだけではないということを知るのも大切な発見ですね。

 

このようなやりとりを経て、「なぜベランダ栽培などでよく行われているミニトマトにしないのか」という授業を展開していきます。

 

昨今、ニュースなどでも見聞きする食品による誤飲・窒息を環境から防ぐため

・大きく育ちやすいサイズを栽培の品種にはとりいれる必要性

・誤飲防止ネットを使い、子どもたちが勝手に食べないようにする配慮の大切さ

といったことも学んでもらいます。

 

とれたてのトマトって? 観察して実生活に活かす

7月に入り、授業内で毎週収穫していきました。

個数や重量の計測をし、試食や収穫物を手に取り、観察する時間を設けています。

たくさん収穫できた時は、学校の職員にもお裾分けしています。

先生方からも「おいしかったよ」「甘かった」などの感想をもらえることも、食を通したコミュニケーションのきっかけになります。

これによって「食べものを話題にする子ども」という食育の目指すことの一つを実現しています。

また、収穫したてのトマトのヘタの部分がピンと立ち上がっているということも、

鮮度の見分け方としての視点であることを伝えると「へー!!そうなんだ!」という反応がありました。

 

これはそのまま子どもたちにも「とれたてはおいしいよ〜」と、好き嫌いのある子どもに

「食べるきっかけ」を与える言葉になることも伝えます。

 

番外編!リアルはらぺこあおむし

たくさんの収穫物を観察し、試食のためにカットしていたら思わぬお客様と遭遇!

なんと「あおむしさん」がトマトに隠れていました!

教室がパニックになるかなと思ったのですが、ある女子学生が愛おしそうにずっと見つめていました。

 

そして、授業の間も机の上にトマトとあおむしを置いて楽しんでいました。

「先生、トマトからあおむしがでてきたよ〜」と授業が中断する一幕も(笑)。

 

にょきにょき動いている様子に、「リアルはらぺこあおむしだね〜」と言いながら

みんなで「がんばれ〜」と応援する微笑ましい光景もありました。

 

その学生は家で育てると言って持ち帰りました。

虫が苦手な大人が増えている中でなんと心強い!

きっと将来、「虫先生」として子どもたちの興味の扉を開いてくれることでしょう。

私も授業を通して、学生の個性を知るきっかけとなりました。

 

あまりの実の付きの良さに枝が倒れてしまうなど、小さなハプニングもたくさんあるのが「育ちの授業」です。

「家に持ち帰って育て続ける」といった声が学生から出るなど、「命の大切さ」、

「協力してお世話する大切さ」など、食育や栽培で伝えたいことを本授業を通してたくさん吸収してほしいと思っています。

 

日本こども成育協会が監修をした(株)カゴメの保育施設向けプログラム
「ベジ・キッズ『考える力』プログラム・五感でいのちの不思議を学ぶ野菜栽培キット」
2025年予約開始は2024年11月ごろを予定しています。

https://www.kagome.co.jp/company/kangaeru-chikara/

 

 

隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士

【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。

都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。

子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。

詳しいプロフィールはこちら

2024.7.9

「それ、恋人にも同じことをする?」はな保育の保育スタッフ育成:こども成育デザインラボミーティングレポート

先月、半年ぶりに「こども成育デザインラボ・ラボミーティング」を開催しました。

 

今回は中部・京阪神に約30園を展開する株式会社はな保育の取締役である

滝口菜穂子先生に話題提供をいただきました。

 

滝口先生とは、はな保育園での研修講師を沢井佳子先生が務めたことがご縁となり

以来、親交を深めてまいりました。

 

昨年は、滝口先生と沢井先生の対談を収録し、日本こども成育協会の公式YouTubeで

公開することもできました。

 

今回のラボミーティングでは、先日の会合で滝口先生の保育スタッフ育成についての

考え方、特に子どもへの接し方について「それ、恋人にも同じことをする?」

「自分が同じことをされたらどう感じる?」という問いかけに大変感銘を受け

テーマとしてお話いただくことをお願いいたしました。

 

本記事では、たくさんの気づきや学びの詰まったお話の中から、特に印象的だった

トピックスをご紹介したいと思います。

 

保育士と子どもたちが楽しむ環境作り

「はな保育」での保育方針では、保育士と子どもたちが共に楽しむ環境づくりをとても大切にされています。

 

子どもたちの笑顔を引き出すためには、まず保育士自身がリラックスし、

楽しいと感じる環境が必要だという言葉がとても印象的でした。

 

保育士自身が楽しいと感じることが、子どもたちにも伝わり、より良い保育が

実現されているのではないでしょうか。

 

 

そして、保育士が保育現場を楽しめるよう常に保育士の意見を取り入れ、

働きやすい環境を作ることに努めているとのことでした。

 

恋人のように思いやりと尊重のある保育

「はな保育」では、思いやりと尊重に満ちた関係性を築くことが目指されています。

 

恋人同士が互いを思いやり、尊重し合うように、保育においても子供たち一人ひとりを

大切に扱うよう、滝口先生は保育士にお話しされているそうです。

 

前述の「それ、恋人にも同じことをする?」「自分が同じことをされたらどう感じる?」

という問いかけは、こうした際に語りかけられる言葉です。

 

また、子どもが何かを頑張った時には、それをしっかりと認め、褒めることで

自信を持たせ、失敗した時には優しく励まし、再挑戦する勇気を与えます。

こうした思いやりと尊重のある関係性が、子どもたちの健全な成長を促しているのだと感じました。

 

このほかにも、「保育所保育指針」にある『五領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)』

について、「はな保育」では実際の保育現場でどのように具現化されているのかなど

示唆に富んだ内容がたくさんありました。

 

ラボミーティングの参加者の方は、当日の録画映像をアーカイブでご覧いただけます。

参加表明をされていない方でも、関心をお持ちになった方は、ぜひ事務局へお問い合わせください。

 

滝口先生×沢井先生の対談シリーズは、日本こども成育協会公式YouTubeチャンネルでご覧いただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=MMLT6ssvoOs&list=PLy-VUHvJVTcCK6kphm1jgf6-KPvesOoom&pp=iAQB

2024.7.2

お口徹底解説〈Part6-2〉 口腔の基礎知識:『マグトレ』をお口の発達から考えてみよう

こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。

前回は、『飲む』という動作について赤ちゃんと、乳幼児から成人との違いなどをお話しました。

 

お口徹底解説〈Part6-1〉 口腔の基礎知識:水分補給の盲点『飲む』という動作に注目してみよう

 

今回は、質問をいただくことの多い『マグトレ』について、口腔の発達の観点から

解説していきたいと思います。

 

外出先などで、乳幼児がストローで飲み物を飲んでいる様子を時折目にします。

 

まだ吸啜反射が残っていてストロー飲みには適さない月齢であったり

口唇の動きが不十分で吸引力がなく、水分を摂取することが難しいために

嫌がったり、むせたりしていることもあります。

 

まず、口腔の成長発達と共に、お子さんができる動作は変わってくるということを

お伝えしたいと思います。

 

おっぱいやミルクを飲む

スプーンからすする

大人がコップを持ってサポートしながら、ゆっくり飲めるようになる

お子さん自身でコップを持ち、飲めるようなる

 

このような順番で『飲む』動作の発達は進んでいきます。

 

9~11ヶ月頃を目安にコップで上手に飲めるようになり

その後口唇の力が強くなってからストロー飲みができるようになるのです。

 

入園前の準備でマグトレを開始して、「ストローで飲めないと、コップでも飲めなくなるのでは?」と

焦ってしまうこともあるようですが、心配しなくても大丈夫です。

 

乳幼児用のマグトレ用コップ(ストローマグ・スパウト)を使えないといけないということではないので

お口の成長発達を促すために日常的に使用するというより

子育て中のストレス軽減や、外出時など便利グッズとして上手に活用することが良いと思います。

 

また、『マグトレ』のほかによく挙がる相談例として『ペットボトルの「くわえ飲み」に困っている』

という内容があります。

 

子ども、大人に関係なく、ご家族から「ペットボトルの中に食べかすが入ってしまう」

「口の中のばい菌が入って、食中毒の原因になりそうで怖い」など心配の声が多いです。

 

大人の飲む動作(成人嚥下)では、上唇を閉じて水分の入ってくるタイミングや量

温度、粘性などを感知しながら、流し入れる量や速度を調整します。

 

これは、「むせ」や「火傷の防止」など大事な防衛機能です。

ペットボトルのくわえ飲みと同様に、唇をコップに付けず大きく口を開いたまま

飲んでいる場合もむせの心配があります。

 

よく言われる「猫舌」も、上唇が上手く閉じられず、熱い飲み物が直接舌にあたるので

起こる現象です。

 

 

さらに、飲む動作を含め日常の動作で唇の機能が発達しないと、上下口唇が上手く

閉じられず“お口ぽかん”の状態になります。

 

これは、出っ歯など歯並びの問題や、口呼吸による虫歯や歯周病のリスクが上がるなど

様々な口腔のトラブルにも繋がります。

これまでお話してきたように、『飲む』動作も成長過程において、段階を経て発達していきます。

 

その成長発達を促し元気なお口を育てることは、単に食事から栄養素を摂取し

生命を維持することにとどまりません。

 

飲む動作には様々な身体の動きを必要としますが、今回は特に『口輪筋』という

唇の周りの筋肉の成長発達に繋がるエクササイズを最後にご紹介したいと思います。

 

【口輪筋を鍛えるエクササイズ】

お口をすぼめて「うー」→お口を横にひいて「いー」

この動作を

・数回繰り返す

・5秒ずつゆっくり行う

・大人が見本になる

※赤ちゃんでも大人がやっているのをジーと見つめ、数秒後にお口をもぞもぞ動かします。

最初はそこからスタートでOKです。

 

大切なことは、「正しく」ではなく「楽しく」行うことです。

 

お子さんだけでなく、ぜひ大人の皆さんも挑戦してみてくださいね!
 

宗田 香織

1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。

2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・

インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。

2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。

詳しいプロフィールはこちら

 

2024.6.25

お口徹底解説〈Part6-1〉 口腔の基礎知識:水分補給の盲点『飲む』という動作に注目してみよう

こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。

今回のブログでは『飲む』動作についてお話していこうと思います。

 

私は日本こども成育協会アンバサダーとして、親子支援やイベントなどで

歯科以外の職種の方と連携させていただく機会も多くあります。

 

その際に、管理栄養士さんや保育士さん、現在子育て中の方などから

『マグトレ』についてご質問いただくことがとても多いのです。

 

授乳や離乳食の進め方は母親学級やセミナーなどがあるものの

母乳やミルク(人工乳)以外の水分摂取について教えてもらえる機会はありません。

 

実際にどうしたら良いのか悩んでしまうのも頷けます。

 

『マグトレ』は、子育て中のママやパパには馴染みのある言葉かと思いますが

私自身、こども成育インストラクターとして乳幼児に関わる仕事をするまでは

あまり耳慣れない言葉でした。

 

保育園などでは、「入園前にコップ飲みができるようにご家庭で練習しておいてください」

といったアナウンスもあるようです。

 

また、哺乳瓶やストロー飲みから卒業してコップで飲める練習をすることについて

「歯医者さんで相談した」という親御さんもいらっしゃるとのこと。

 

「飲む=水分を口に取り込み食道へ送り込む」という動作ですが

この行動をシーン別に表現してみると

◎赤ちゃんがおっぱいや哺乳瓶の乳首を「吸う」

◎ストローで水分を「吸う」

◎コップから水分を「飲む」

と区別することができます。

 

同じように『飲む』動作なのですが、これらはすべて異なる動きをしています。

さらに、生まれてすぐの赤ちゃんがしている『飲む』と、乳幼児や大人がしている

『飲む』という動作も違う動きをしているのです。

 

【赤ちゃんがしている飲む動作(乳児嚥下)】

生後すぐの赤ちゃんは、目の前のおっぱいや哺乳瓶の吸口を口に加え(哺乳反射)

反射的に吸い取る(吸啜〈きゅうてつ〉反射)ことで母乳やミルクを摂取します。

 

この反射は生後約9ヶ月頃までに減退していくと同時に、自分の意思で唇や舌を

動かせるようになり、すすり飲みができるようになります。

 

【乳幼児~成人がしている飲む動作(成人嚥下)】

下唇をスプーンやコップに当て、上唇を閉じて飲み込むタイミング・量・速度などを

調整したり、温度や粘性を感知したりしながら口腔内に水分を取り込みます。

 

そして、舌を上あご(上顎)にピッタリくっつけて、液体を喉へ移動させることで

水分を飲み込んでいます。

 

また、『おっぱいや哺乳瓶の乳首を吸う』 のと『ストローで液体を吸う』は

同じ『吸う』動作のように見えますが、実は全く異なる動きをしているのです。

 

ストロー飲みはどんな動きをしているかというと

ストローを加え上下口唇をすぼめる

強く吸引して液体をストロー上部まで運ぶ

吸引した液体を喉へ流し込む

といった動きに分解することができるのです。

 

このように同じ『飲む』という動作でも違いがあることがお分かりいただけたでしょうか。

 

そこで次回は、口腔の発達の観点から、『マグトレ』などについてお話していきたいと思います。

 

〈参考〉

公益社団法人日本小児歯科学会
こどもたちの口と歯の質問箱
https://www.jspd.or.jp/question/2years_old/

日本歯科医学会
小児の口腔機能発達評価マニュアル
https://www.jads.jp/assets/pdf/activity/past/hyoukamanyuaru.pdf

厚生労働省
授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html

 

宗田 香織

1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。

2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・

インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。

2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。

詳しいプロフィールはこちら

 

2024.6.18

糖分入り飲料を多飲することで欠乏する栄養素とは?

こんにちは。一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクターの隅弘子です。

前回に引き続き、熱中症予防に関して管理衛生士の視点からお話しします。

熱中症対策を考える前に知っておきたいこと

 

飲みやすい飲料を常飲するとビタミン不足につながる?

前回、水分補給としてスポーツドリンクやイオン飲料などの糖分入り飲料は

量と頻度を注意したいとお伝えしました。

こうした飲料は、汗をかき水分とともに失われるミネラルを補うために

「よかれ」と思って選択される場合が多いと思います。

 

それでは、糖分入り飲料を多飲することで生じるデメリットとはなんでしょうか?

 

スポーツドリンクなどは、糖分(すなわち糖質)を加えることで

飲みやすくなっているのですが、その糖分を代謝するためにはビタミンB1が使われます。

 

ビタミンB1は、主に豚肉や豆類などに多く含まれる栄養素ですが

糖分入りの水分補給が続くことによって、ビタミンB1が追いつかなくなります。

 

すると、「ビタミンB1欠乏症」が起こりやすい状況を生み出してしまうのです。

 

実際に、幼児でもこの「ビタミンB1欠乏症」が報告されています。

 

欠乏症の症例一部には、膝の下のくぼみを叩いて足が自然に跳ね上がるかを

見て判断することで知られる「脚気」の症状があります。

 

また最近では、体調不良時にイオン飲料の多飲によるウェルニッケ脳症を

発症した事例(※)なども報告されています。

 

イオン飲料は、カリウムやナトリウムなどの電解質を含んでいると同時に

糖分も含まれているからです。

 

※日本小児科学会イオン飲料水の多飲による ビタミンB1欠乏症

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/shokuiku_12-3.pdf

子どもたちが水や麦茶を積極的に摂るためには

子どもは大人以上に水分を必要としていますが、適切な水分補給の選択を

意識することが大切だと言えます。

 

水や麦茶を飲み慣れないお子さんであれば、園でお友だちと一緒に飲水タイムを

設けるなどの対策によって、水や麦茶を摂る習慣をつけることも一案です。

 

また、自分から「喉が渇いた!」と十分に言えないことを踏まえて

大人から定期的に声かけていきましょう。

 

さらに園においては、水や麦茶を中心に日常の水分補給をすることが大切ですが

高温期は麦茶なども傷みやすくなります。

 

1日に複数回は作り直し、作ったものを温かい場所に放置しないなど

衛生対策も万全におこなってくださいね。

 

以上を参考に、猛暑が予想されている今年の夏も元気に乗り切っていきましょう!
 

 

隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士

【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。

都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。

子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。

詳しいプロフィールはこちら

2024.6.11

熱中症対策を考える前に知っておきたいこと

こんにちは。一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクターの隅弘子です。

歯科衛生士 宗田香織さんからの記事を受けて、熱中症予防に関して管理衛生士の視点から

引き続きお伝えします。

毎日の食事をベースに熱中症を予防しよう

熱中症対策に欠かせないドリンクとのむし歯にならない上手な付き合い方

 

今年も猛暑が続くという予報を聞くと、塩タブレットや塩に特化した商品がたくさん出回るのかなと感じますが

そうした商品だけに頼らず、適切な食事や水分補給で元気な体を維持していただくためのヒントをお話したいと思います。

 

大人の約2倍の水分を必要とするこども

私たち人間が必要とする1日の水分量 は下記の通りです。

【体重1kgあたりの水分必要量】

乳児期 125~150ml /幼児期 90~125ml /成人50~70ml

※ 子どもの食と栄養改訂第3版(中山書店) p41食物繊維と水分より

 

成人に比べると乳児で2.5倍、幼児でも1.8倍必要とされています。

乳児のもちもちとした肌を維持するためにも、水分がたくさん必要ということが想像できますね。

 

また、不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といい、無自覚のまま皮膚などから蒸散する目に見えにくい水分蒸発量も

大人に比べて乳幼児は多くなります。

 

こうしたことからも、適切な水分補給を毎日の習慣に組み入れることがとても大切なのです。

 

水分補給の基本はより水に近いものを

「水が失われるので単純に水を補う」

まさにこれに尽きるのですが、その温度や、水や麦茶を飲む経験をどれだけしているかといった違いもあり

なかなか摂取できないというケースも考えられます。

 

保育園などでは、基本的に麦茶を提供していることが多いと思いますが

幼稚園児の水筒にはイオン飲料やスポーツドリンクが入っているというケースも考えられます。

 

これだけ暑いと発汗量も多いため、保護者の方が心配されての判断なのだと察します。

これらの飲料は、水分とともに失われるミネラルを補うための選択肢のひとつではありますが

その量や頻度にはやはり気をつける必要があります。

失われるのはカルシウムだけではない・・・食事や間食から補給をベースに

発汗とともにカルシウムが失われると、前回の宗田香織さんの記事でお伝えしました。

カルシウムはミネラルと総称される栄養素の仲間のひとつです。

さらに、汗がしょっぱいことから想像しやすいナトリウム、およびカリウム、マグネシウム、鉄なども同様に失われていきます。

 

丈夫な歯の材料としてのカルシウムを含め、成長発達の著しい乳幼児はもとより、大人もミネラル全般を補給することは大切です。

 

カルシウムといえば牛乳・乳製品と考える方が多いですが、乳アレルギーのお子さんの場合では

小松菜などの青菜、しらすや小魚、大豆製品など様々な食材で補うこともできます。

 

そのほかミネラル全般を補おうとするのであれば、やはり食事や間食で補うことが重要です。

具沢山の味噌汁やスープ、夏場であれば冷製のポタージュ風などの汁ものを積極的に食事に取り入れることも

補給の仕方としては望ましいと思います。

 

次回は、スポーツ飲料などの糖分入り飲料を常飲することの栄養面から見た弊害などをお伝えします。
 

 

隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士

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理事 総合監修沢井 佳子(さわい よしこ)

こどもの心理発達と行動を7つの領域から観察することで、それぞろえの領域で「今できていること」と「これからできること」を見つけ、こどもの状や胃や個性に合わせた適切なコミュニケーションを生み出すことができます。
この講座では「こどもの今」を多角的に観察するためのアプローチをお伝えします。

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