「小学生以上の子ども」を自転車に乗せられない問題をめぐって

日本こども成育協会フェローの所真里子です。

子どもの安全の専門家として研究を進める傍ら
事故防止のための監修、コラム執筆を行っています。

前回の記事で、

お子さんと自転車に乗るときの安全ルールについて
お伝えしました。

今年4月1日に施行された改正道路交通法で、

自転車の2人乗りが青切符対象となり、
小学校入学後の子どもを乗せると反則金3000円が
科せられる可能性があり、
ニュースにもなっています。

 

■市販されているのは自転車用幼児座席

自転車用幼児座席の安全規格(SG基準)では、
体重24㎏以下(目安身長120㎝以下)の未就学児に適用されると
定めています。

この根拠は、各都道府県公安委員会が30㎏と定めている
積載重量制限内に収めるためです。
自転車も、この積載重量制限をもとに、
安全に走行できる製品を作っています。

■日本には安全に小学生を乗せられる座席、自転車がない

この問題が話題となる発端となったのは

「<小学生になったら青切符の対象で乗せられない>
 自転車送迎が必要なすべての人たちの声を法律に反映してください」

と訴えたオンライン署名活動です。

 

残念ながら、
日本には、小学生以上の子どもを自転車に乗せることを想定した
法律がない、自転車・乗車装置の安全規格がない、
ジュニアシート等の座席がないのです。

 

このオンライン署名活動では、

単に小学生も乗せられるようにしてください、と訴えているのではなく、
「安全に」乗せられるように安全規格の策定も合わせて求めています。

非常に理にかなった訴えです。

■自転車で広がる移動の自由

経済産業省は、
安全な製品づくりに取り組む企業や団体を表彰する制度をつくり、
今年で20周年を迎えます。

参考:製品安全対策優良企業表彰

https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/ 

 

2024年度の表彰で、
団体賞を受賞した「株式会社ふたごじてんしゃ」は、
幼児2人が同時乗用できる三輪自転車(ふたごじてんしゃ)を開発しただけでなく、

「アセスメント販売」という独自の手法も開発した点が評価されました。

参考:ふたごじてんしゃ
https://futago-jitensya.jp/news_cat/event/

 

創業者に、ふたごじてんしゃの開発のきっかけを尋ねると、

双子と一緒に自転車でお出かけしたかった、
移動の自由を手に入れたかったと話していました。

 

■議論の広がりに期待を

移動に困っているのは小学生だけではありません。

障害のあるお子さんも移動に困っています。高齢者もそうです。
また免許を持たない大人もいます。

今回、「小学生を乗せたら青切符!?」

と話題性のあるトピックスで注目をあびることになった
自転車問題。

ぜひ、法律、安全規格、製品の3領域が協力・連携し、

問題解決に向かってほしいですね。

 

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日本こども成育協会では、子ども向けイベント、
ワークショップ、施設等の「安全の確認」に取り組んでいます。
ご相談等はこちらまでご連絡ください。

https://kodomoseiiku.jp/contact/

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<執筆者プロフィール>

所真里子(ところ まりこ):子ども製品・保育の安全

 

 

【専門分野】

子どもの安全(製品安全、リスクマネジメント、事故予防)
日本子ども学会常任理事
製品安全対策優良企業表彰(経済産業省)審査委員
ISOガイド50(子どもの安全)JIS化委員

【略歴】
ベネッセコーポレーションに20年以上勤め、教材編集、子ども研究、知育玩具や通販
商品の事故事例分析や安全基準づくりに取り組む。在職中に日本女子大学大学院で子ど
もの事故予防を研究。
2013年保育の安全研究・教育センター設立に参加。2021年4月~2025年3月まで、消費
者庁政策調査員として、教育・保育施設、放課後児童クラブ、障害福祉施設、介護施設
等から提出される重大事故報告書(約2500件/年)の調査及び照会業務に従事。
現在は子どもの安全の専門家として、研修講師、保護者への安全講習、製品安全行政
の委員、企業へのアドバイス等を行っている。

<著書>
『イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室
~子どもの「危ない!」の見つけ方・伝え方~』(ぎょうせい)