こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
梅雨の気配を感じるこの頃ですが、皆様お元気ですか?
6月はむし歯予防週間など、
むし歯予防やお口や歯の健康について考えるイベントが
色々なところで開催されます。
こうした啓蒙活動や予防の意識の高まりから
この20年でむし歯になる子どもは格段に減っています。
調査年 5歳児の乳歯う蝕有病率
2005年(平成17年)約60.5%
2016年(平成28年)約39.0%
2022年(令和4年) 約17.6%
つまり、
2005年には5歳児の10人中6人にむし歯があったのに対し、
2022年には10人中2人以下になったということです。
大切な子どもの口にむし歯ができないように
仕上げ磨きや、自立したはみがき習慣に導くために
ご家庭や園、学校、歯科でのご努力に頭が下がります。
それでも、園や学校で歯科健診があり、
子どもが歯科医院受診の用紙をもらってきて
慌てて歯医者さんの予約をしたというご家庭は少なくありません。
そこで、
今回のブログでは、基本に立ち返り
ご家庭でできる「むし歯予防」についてお話しします。
■毎日歯みがきしているのにどうしてむし歯になるの?
歯科医院でもこのご質問は本当にたくさんいただきます。
こどももおとなも殆どの方が、
1日2〜3回食後に歯みがきをされていると思いますが、
ご自身が想像しているほど
プラーク(歯垢・細菌の塊)が取れていないのです。
むし歯ができるメカニズムは、
むし歯に関連する細菌が増殖し
その際に出す酸によって歯が溶かされ、
むし歯に罹患します。
口腔内で増えてしまった細菌を
くまなく除去することが必要となるので、
むし歯予防において歯みがきは大切です。
では、毎日歯みがきしているのに
なぜむし歯になってしまうのでしょうか?
■むし歯を防ぐ3つのポイント
1)歯ブラシだけでは磨ききれない
→むし歯のリスクが高いところにフォーカスをあてた歯みがきを行うこと
2)細菌を増やさない工夫
→増えたら磨いて取る歯みがきに加え食事のアプローチを習慣化する
3)お口の機能(口腔機能)を高める
→お口の発達成長を促し口腔機能を上げることで自然に綺麗にする力(自浄作用)を活発にする
それぞれ詳しくお話しします。
1)歯ブラシだけでは磨ききれない
毎日歯みがきで、
ワンポイントブラシ・フロス(大人は+歯間ブラシ)などの
“歯と歯の間”や“歯ブラシが当たりにくい場所”
専用の口腔ケアグッズを習慣的に使っている人は
とても少ないのが現状です。
実は歯ブラシで磨けるのは歯の表面的な部分のみで、
むし歯罹患リスクの高い
・歯と歯の間
・歯の接点
・歯の根元の生え際
・歯の噛む面の山脈のような凸凹
・下の奥歯の内側
・上の奥歯の外側
は、プラークが残りやすい場所には届いていません。
ワンポイントブラシ・フロス・歯間ブラシなどの
口腔ケアグッズを優先的に使い
一番最後に“仕上げ”と“フッ素塗布”を目的に
歯ブラシを使うことで磨き残しが少なくなります。
むし歯のリスクが高いところに届くケアグッズを用いると
むし歯予防の成果を格段にアップさせます。
2)細菌を増やさない工夫
歯みがき=増えたプラークを取り除くことですが、
プラークを増やさないようにすると
歯みがきの負担が小さくなります。
そこで、食事に注目してみましょう。
・食事やおやつで砂糖(ショ糖)の摂取が多くなっていないか
・3食以外でもつまみ食いやおやつのタイミングが多くなってダラダラ食べになっていないか
・早食いになっていないか
・水分がないと飲み込めないが癖になっていないか
いかがでしょうか?
まず、砂糖(ショ糖)は
むし歯関連菌が好み増殖をするのに必要な栄養なので
“甘すぎる味付けにしない”ことや、
こどもの“おやつは補助食”と考えて
スイーツではなく
普段は小さめのおにぎりや小魚・ナッツ・チーズ・スティック野菜など
栄養補給としてのラインナップにする、
などの工夫が必要です。
さらに、栄養面だけではなく「食事」は
“よく噛んで食べる”こと、
“ゴックンと”自力で飲み込む力を付ける
トレーニングのチャンスであるということを
おとなも子どもも常に意識すると良いでしょう。
栄養面に加えて食べ方の意識をすることで
「唾液がよく出て」
プラークが増えにくくなります。
磨いて除去する歯みがきに加えて
食べもの選びと、良い食べ方の習慣化は大事なポイントです。
最後の3つ目「お口の機能(口腔機能)を高める」は
次回にお伝えします。
お楽しみに!

■歯と口の健康週間 上野動物園行事
令和8年6月7日(日)12:00~16:00
私も歯科健診業務で携わっている、
東京都歯科医師会も上野動物園でイベントを行います。
お近くの方や今週末上野動物園へ行かれる方はぜひご参加ください。
https://www.tokyo-zoo.net/ueno/news/11700/index.html
■事務局からのご案内
7月5日(日)10時30分~13時
Early Childhood Oral Academy特別公開講座
オンライン開催
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“唾液研究” の第一人者が語る
子どもの「唾液」と全身の健康のメカニズム
―親子が通い続けたくなる・歯科の本質アプローチ―
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むし歯予防だけでなく、
全身の健康のために「唾液」が大きな役割を担っていることはご存知ですか?
今回、その「唾液」について
弊協会とご縁の深い(一社)日本子ども学会の理事であり
小児歯科学のご研究で長年成果を上げていらっしゃる
渡部茂先生に講演をしていただくことになりました。
渡部茂先生は、歯科領域から子どもの虐待防止に取り組む活動や
唾液の研究など各方面に成果を上げていらっしゃる研究者です。
2019年には「5歳児の唾液量測定」が評価され
イグ・ノーベル賞化学賞を受賞されたことは
多くのメディアでも取り上げられました。
今回は唾液と子どもの全身の健康について
歯科クリニックで歯科医療に従事する皆さま向けに
お話しをしていただきます。
このブログをご覧の方は受講料特典がございます。
概要はPeatixにてご覧いただけます↓
https://ecoamanabi260705.peatix.com
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<当記事執筆者プロフィール>

宗田 香織(歯科衛生士)
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉として活動中。

