皆さん、こんにちは。
歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
前回は、「甘い物好き⇒だからむし歯が多い」という定説について、
むし歯の予防には、甘い物を食べないということより、「ダラダラ食べをしないこと」が
重要であることをお伝えしました。
お口徹底解説〈Part6-1〉 口腔の基礎知識:「甘いもの=歯に悪い?」という呪いからの脱却
今回は、日本の伝統文化の知恵などに基づいた「むし歯予防」についてご紹介したいと思います。
昔からの知恵を活かして、おやつタイムもむし歯予防を意識する
ではここで、おやつ(補完食)について考えてみましょう。
現代のおやつタイムは、お茶を飲みながらスイーツを食べて甘い余韻を楽しむ、
野菜ジュースやスムージー、シェイクの様な甘いドリンクなど、
噛まずに摂取できる物を飲むということが多いようです。
また、ゲームをしながら、あるいは勉強や仕事の合間に
お菓子をダラダラと食べることが習慣化していることもあります。
こういったおやつの摂り方ですと、ショ糖の摂り過ぎにも繋がり
いつまでも食材が口の中に存在し、むし歯リスクは高くなってしまいます。
茶道の様式に、むし歯になりにくい秘訣が!
それに対して、戦国時代から続く日本の伝統文化である茶道を見てみましょう。
茶道でも甘いお菓子をいただきますが、お菓子を食べた後に
苦いお茶を飲むという様式です。
こちらですと、最後にお茶を飲むため、甘い味を流してさっぱりとしたお口で終わります。
そして、お茶に含まれる成分の緑茶ポリフェノール(カテキン)には殺菌作用があり
むし歯に関与するミュータンス菌の増殖を抑えます。
また、プラーク形成も抑制するため虫歯予防に効果的であることが知られています。
さらに、お茶にはフッ素も多く含まれているので、再石灰化の促進にも繋がり
歯質を強化してくれる役割もあります。
こういった先人の知恵を活かし、ダラダラ食べをしないことに加えて
◎おやつや食事にはお茶(またはお水)を組み合わせる
◎おやつや食事の最後にお茶を飲んで締める、など食べる順番を工夫する
◎おやつはスイーツのイメージで甘い物に限らず
『補完食』としておにぎりやイモ類・果物など自然な甘みの物にしてみる
など、日頃のおやつを見直してみると自然とむし歯予防に繋がります。
特に乳幼児にとってのおやつは、『ご褒美スイーツ』ではなく
3食では摂りきれない1日の必要なエネルギーを補完する目的もあります。
こうした『補完食』であることを忘れず、食事の一部と考えることで
むし歯リスクの少ない食材を選択することにも繋がります。
このように、むし歯予防も考慮したおやつの摂り方を日常的に増やし
お誕生日などのイベント時には、特別感のあるご褒美スイーツにしてみるなど
楽しさと健口のバランスに配慮して、楽しいおやつタイムを演出してみてください。
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宗田 香織
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。