子どもの噛む力を育むには「ひと口30回」を妄信しないこと!

こんにちは。一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクターの隅弘子です。

前回は、「咀嚼とは?」ということや噛む際に使う歯についてお伝えしました。

 

子どもの成長発達に見合った「咀嚼」を考えてみよう!

 

今回は乳歯の生える順番や、成長発達に合わせた咀嚼の指導方法をご紹介します。

 

乳臼歯(奥歯)は何本?

 

まず、乳歯列の配置から確認すると、乳臼歯は上下左右2本ずつ生えて8本。

第1乳臼歯といわれる奥歯は目安ではありますが12〜14か月、

つまり、1歳を過ぎたあたりから生えてくるようです。

 

さらに、表面積が広い第2乳臼歯は20〜24か月、つまり2歳前後に生えてきます。

 

この奥歯が生えてきてから「噛むおけいこ」をすることで、

咀嚼がよりしっかりできる食習慣の土台ができます。

 

そうした食習慣を整えていくことで、大人が思う「ひと口30回のイメージ」に

近づいていきます。

また、第1乳臼歯と第2臼歯の生える間に、乳犬歯と言われる

噛みちぎりの力を高める歯が生えてきます。

 

そうすると、咀嚼の力のステップも次のステージに緩やかに上がっていくことが

イメージできると思います。

 

 

よく噛むには咀嚼回数ではなく成長発達にあわせた見守りが大切

 

私がおこなっている食事相談では、離乳後期くらいの保護者の方から

咀嚼についての心配の声をよく伺います。

 

そうしたお悩みを持つママやパパには、まずひと口30回も噛まないということを

お伝えすると安心されるようです。

 

「咀嚼は大切」という言葉が先行し、そういうものだという認識だけが残っていると

その時期に見合ったチェックすべき視点を見失ってしまうことがあるようです。

 

離乳後期を経た、離乳完了期における硬さの目安は、「歯ぐきでかめる硬さ」

とよく表現されています。

 

離乳食は、調理の際にいずれもその時期に見合った硬さに調整します。

 

現在の咀嚼能力でできることは、お口元が上下に動いたり、左右に動いたり、

または、あちこち口先が遊ぶような動き(実際には舌が口腔内で動いています)です。

 

こうした動きを合わせて30回到達できればOK!

 

「かみかみして!」「もぐもぐできている?」という言葉以外に

「お口があっちこっちに動くんだよ!」と目の前でお手本を見せてあげるといいですね。

 

○○○○できたか、○○○○しないと!というチェック項目は不安を招く

 

「よく噛める子にしなくては!」

「咀嚼はひと口30回を目安にさせましょう」

 

こうした言葉に縛られ過ぎないことを指導・支援する側はよく認識し、

正しく伝えられるようにしましょう。

 

30回噛むというのは、カウントをすることが目的ではありません。

 

食べたものを体に元気と栄養をより送り込むことができる大事な食べ方であることを

改めて認識して、噛むことを楽しみながら食事をしてほしいと思います。

 

新生活が始まると何かと焦ったり、時間に追われて食べることが疎かになりがちです。

 

新生活に慣れてきたら、ゆったりコミュニケーションしながら食事をするというリズムを

意識的に作るようにしてみてくださいね!

 

 

隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士

【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。

都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。

子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。

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