お口徹底解説〈Part3〉 口腔の基礎知識:子どもにも広がる「ロコモティブシンドローム」とは?

こんにちは。歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。

 

今年1月のブログで、大阪で開催した「オーラルフレイル」の予防セミナーの様子を

ご紹介しました。

『美口姿勢でオーラルフレイル予防』セミナーレポート

 

大人向けに開催したものでしたが、同様に「子どもたちのお口の機能はどうかな?」

と改めて考えてみました。

 

そこで今回は、『表情筋・咀嚼筋を動かして口腔機能を育てよう!』

というテーマでお話したいと思います。

 

フレイル・ロコモ・サルコペニアとは?

オーラルフレイルを含め「フレイル」へと繋がる「ロコモティブシンドローム」や

「サルコペニア」という言葉を聞いたことがありますか?

 

いずれも高齢者における要介護の大きな要因となる運動器疾患です。

 

そして、中でも「ロコモティブシンドローム」は、近年子どもたちにも広がっていて

深刻な問題になっています。

 

それぞれの言葉を簡単にご紹介します。

 

フレイル:Frailty(虚弱)

 健康な状態と要介護状態の中間に位置し、

 身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のこと

ロコモティブシンドローム:運動器症候群

サルコペニア:筋肉減弱症

〈参考〉

日本整形外科学会HP

https://www.joa.or.jp/media/comment/locomo_more.html

一般社団法人日本生活習慣病予防協会

https://seikatsusyukanbyo.com/guide/locomotive.php

 

ロコモは大人だけの心配事ではなくなってきている

ロコモ(ロコモティブシンドロームの略称)は、年齢とともに

立ったり座ったりする機能が低下し、骨や関節などの「運動器」の働きが衰え、

歩くなどの動きに異常をきたす状態のことを指します。

 

先程述べたように、フレイルやロコモ、サルコペニアというと、

成人特に高齢になってからの心配事で、元々あった機能(できたこと)が

運動不足や加齢・疾病などにより低下(できなくなる)という状況を指します。

 

しかしながら現在、ロコモは子どもにも広がっていることがわかっています。

 

例えば、前屈・片脚立ち・雑巾がけなどができないお子さんが増えてきているのは

私も肌感覚で感じています。

こうした雑巾がけができない子どもも増えているようです

 

口腔領域であれば、

・お口ぽかん(いつも口が開いている)

・口呼吸

・食べこぼし(お口から食物が溢れてしまう、口角に食物がくっついて残っている)

・早食い

・食べ物を飲み込めなくて食べるのに時間がかかる

・発音がうまくできない

といった様々な所見が該当し、口腔機能の低下している患児さんが多くいらっしゃいます。

 

本来であれば、子どもの時は様々な運動機能が発達し、増強します。

けれど、ロコモがみられるお子さんは、本来の機能の成長発達が脆弱な状況なのです。

 

口腔領域にこういった所見がみられる場合

▼食べる

▼呼吸する

▼話す

▼表情を豊かにする

▼感染症予防

などの機能が弱くなってしまうことで健康に悪影響を及ぼしますし、

成人・高齢になった時の衰えが大きく急激に進んでしまう可能性が心配されます。

 

次回は、ロコモが広がってきた背景にある要因や予防についてお伝えしたいと思います。

 

宗田 香織

1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。

2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・

インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。

2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。

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