こんにちは。一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクターの隅弘子です。
本年も子どもの発達と食について、多様な角度から役立つ情報提供をしてまいりたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
年末年始はご家族や親戚など、いつもより多くの人が食事を共にする時間もあったかと思います。
私は姪っ子の1歳のお誕生日をみんなでお祝いすることで、成長のスピードを感じました。
そしてみんなで食べる食事はとてもおいしく、「みんなで食べるとおいしいね」という言葉が
心の中に響きながら過ごすことができました。
お正月時の注意喚起といえば「お餅を喉に詰まらせないように」ですが・・・
世代を超えて家族で「食べる」という時間。
とくにお正月はお餅をたべる機会も増え、お餅による窒息事故への注意喚起もされます。
昨年、一口のサイズの目安のお話にて窒息予防に関してはお伝えしましたが、
乳幼児にとってもう一つ大人と違う点が「唾液の量」なのです。
成長発達段階中の子どもは唾液を出す力も十分でないと認識しておきましょう。
国民的アニメの食事風景と現代の食事風景との違いって?
世代を超えた食事風景が繰り広げられる国民的アニメに出てくる食事シーンをよく観察してみると
現代の食卓と比べ少し違いがあることに気づきます。
ちょっとその違いを探しをしてみましょう。
私が感じたのは「水分」と「スマホ」です。
食事のシーンではこの2つは登場していません。
水分に関しては、食後にお父さんたちの緑茶タイムのシーンは見た記憶がありますが
スマホは時代的に存在していなかったためだと思います。
よく噛んで食べるために必要な組み合わせも知りましょう
よく噛んで食べましょうといいますが、たくさん咀嚼するためにはお口の中で噛めるサイズ感と
それをお口の中で飲み込みやすいように整えてから「ごっくん」することが大切です。
お米などは水分をよく含んだ食材ですが、同じ主食でもパンとなるとパサつきやすい特徴もあります。
唾液の分泌が十分でない時期は、食材中の水分が少ないことで窒息する可能性もあります。
幼児期までは食事の際に
*味噌汁やスープなどの汁物を添えて、順番に食べる
*小さなコップでお水かお茶を準備する
ことが唾液の水分を補うためにもよいですね。
よく噛んで食べるには、このように噛みやすくするアシストすることも大事です。
単純にたくさん噛めばいいだけではなく、ごっくんしやすいかたまり(食塊)を作る練習が
スムーズにできるように配慮してあげましょう。
ただし、水分を用意するのはお子さんの食事のみ。
パパやママ世代は十分に唾液を作る機能が完成していますので、コップで水分を摂る習慣は要りません。
逆に咀嚼をせずに水分で流し込んでしまっては、せっかくもっている「唾液を出す力」を
退化させてしまうので気をつけてください。
たくさん咀嚼の運動をした後に、ブレイクタイムとしてお茶を楽しむことは理にかなっているのかもしれませんね。
おいしいを感じる瞬間と経験は味以外にもたくさん
年のはじめの今、お伝えしたいことは、美味しい食事というのは料理スキルだけではないということです。
誰とどのようにどんな空間で食べたかも、子どもが「美味しさ」を学習するためにとても大事。
思い出の味、こういうときに食べたあの味、これぞおうちの味!など、美味しいと感じるものは日々の経験によって作られます。
子どもの成長とともに、たくさんの「食べた!」の経験を感じていただけるように
このブログでも少しばかりお手伝いさせていただきたいと思います!
隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士
【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。
都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。
子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。