メディアの制作や視聴環境の変化が、子どもに与える影響を考える

今月は約2ヵ月ぶりに「こども成育デザインラボ・ラボミーティング」を

開催いたしました。

 

「今のテレビ番組とその他映像メディアのコンテンツ、気になることを語り合おう」

というテーマで、モデレーターの沢井佳子先生が話題提供者となり

「最悪」とも言える子どもたちの現在の「視聴環境」について

参加者で討議する場となりました。

 

 

まず、沢井先生からの話題提供では、良質な作り手による、

良質な子ども番組の制作が圧倒的に減ったことが挙げられました。

 

星新一氏や小松左京氏といった一流のSF作家陣たちも

コンテンツ作りに参加するなど、各テレビ局が競い合って子ども番組を

制作していた時代が、かつてはありました。

 

現代のようなテクノロジーはない時代でしたが

演出家の発想や映像への工夫が盛り込まれていたと言います。

 

 

また、そうした番組の視聴スタイルも現代とは異なり

家族団らんの場で観られることが多かったことも大きな違いだと指摘されました。

 

現在は、スマートフォンやタブレットで映像視聴をする機会も多く

両手で機器を持ちながらの視聴は、子どもたちが身体全体で反応する

機会を奪ってしまっているということに、沢井先生は危機感を感じていると

述べられました。

 

家族そろって同じ番組を観ながら、共通の話題として話をする機会、

映像を真似ながら、一緒に歌ったり、踊ったりする機会が減ることが

子どもたちの発達にどのような影響を与えるのでしょうか。

 

今後、注視していくべき点の一つだと思われます。

 

 

また、今回参加してくださった皆さんからも、子育て中の親の立場として

多種多様なメディアやコンテンツが溢れかえる中で、

何を取捨選択していくことが「正解」なのか、迷うことが非常に多いといった

お話もありました。

 

一方で、生まれたときからそうした環境の中で育ってきた世代は、

次々と登場するメディアやコンテンツの中から、自分に合った良質なものを

探し出し選び取る力が養われており、感心することも多いといった

ポジティブな事象をシェアしてくださる方もいました。

 

「こども成育デザインラボ」の強みは、まさにこうした多彩な視点からの

経験をシェアできることであり、改めてそれを実感した回となりました。

 

 

今回のテーマについて、何か明確な「解答」が得られたわけではありませんが

参加者の皆さまの感想から、それぞれのお立場で、今後何を考えていったらよいのか

といった「宿題」はお持ち帰りいただけたようでした。

 

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「こども成育デザインラボ」ラボミーティングは、アーカイブ視聴も可能です。

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