つくり手の意図と、子どもの発想のはざま《後編》

前回に引き続き、社会福祉法人 高砂福祉会「たかさごナーサリースクールおおたかの森(千葉県流山市)」で実施された

マクドナルド社のハッピーセット(R)のおもちゃモニターの様子をご紹介します。

 

前回の記事:つくり手の意図と、子どもの発想のはざま《前編》

 

「たかさごナーサリースクールおおたかの森」の園児の皆さんが

整然と並んで園舎から出てきました。

 

ハッピーセット(R)のおもちゃを見るや否や、「わー!あれで遊んでいいの?」と

色めき立ちます。

保育士の先生から、「みんな、このおもちゃで遊んでね!」と声をかかると

おもちゃにわっと集まる子どもたち。

どれで遊ぶかじっくり選ぶ子どももいれば

パッと両手に違うおもちゃをもって、即遊び始める子どももいます。

砂場あそびと水遊びのできるコーナーを分けて用意していたので

砂場は砂場、水場は水場と分けて遊ぶと予想していました。

実際は、スコップで砂場の砂をせっせと水場に運びだす子どもが一人現れると

他の子どもたちも我も続けとばかり、せっせと手に持っているじょうろに

砂を詰めて運び始めます。

逆に、水場から水鉄砲で水を汲んでスコップの上の砂に水をかけて固めたり

手で水をすくって砂場に流し込んで、それをおもちゃで混ぜたりする子どもたちも。

大人が思っていた境界線を軽々と超えて遊ぶ子どもたちの姿が

目に飛び込んできました。

風車として作ったおもちゃを、ピザカッターやローラー車のように使いながら

砂に押し付けて道路を作り始める子ども、そこに、他の子どもがじょうろで

水を流し始める…などなど。

言葉を交わすでもなく次々と遊びが連鎖していく様子は、かなりダイナミックで

驚きに満ちていました。

企画会議で、あれだけ吟味を重ねて送り出したおもちゃ。

しかしながら、それが私たちが意図したように、じょうろとして使われなくても

風車として使われなくても、子どもがそれを見て「こうやって使いたい!」と

思いつくまま遊ぶ自由を許容する、大人側の観察眼の「余白」が大事だと

改めて気づく機会となりました。

子どもと一緒に遊んだおもちゃの姿もなんだか愛おしく

「おもちゃづくり」に携わるこの仕事に誇りを感じることができました。

今回、協力いただいた高砂福祉会さんは、

私たち協会の「こども成育講座」

グループ園の10人の園長先生が学んでくださったというご縁もあり

お声がけをさせていただきました。

 

周到なご準備と、当日の機転の利いたご対応を含めて、今回のご協力に感謝申し上げます。

※高砂福祉会HP:https://www.tksg.ed.jp/

 

※モニター取材の様子はMAMADAYSにて掲載されています

https://mamadays.tv/articles/6488