はじめまして。日本こども成育協会フェローの所真里子です。
子どもの安全の専門家として、
ブログ記事を担当します。
去る6 月14 日(土)に八王子のABC 住宅公園で行われた
親子ものづくり体験「親と子の関係が育つチェアづくり」
ワークショップの安全面をチェックするために監修を担当しました。
(当日のレポート記事は当ブログの最後にリンクを記載しています)
これからの季節、
お子さんが参加するイベントやワークショップ等を
企画されている方もいらっしゃるでしょう。
楽しい時間も、思わぬ事故やケガが起こると、
一瞬で悲しい残念な時間になってしまいます。
安心してイベントを行うために、どんな点に気を付けたらよいか、
6 月のチェアづくりワークショップを事例にお話しします。
■モノづくりキットの選び方
チェアづくりのようなモノづくりがメインの
イベントやワークショップの場合、
モノづくりに必要な材料一式がそろったセット(キット)が便利です。
ネットで検索すると、いろいろなキットが出てきますが、
表示された画像と価格だけを見て、
ポチっと注文していませんか?
このチェアづくりワークショップの安全監修をしたきっかけは、
キット選びでした。
ご担当者から、
「いろんなキットがあるけれど、
安全に作れるものを選びたいからアドバイスがほしい」
というSOS が届きました。
候補にあがっているキットの販売サイトには
作り方の動画が公開されていましたので早速チェック。

大人(親)が組み立てるとはいえ、
近くに未就学児がいる環境であることを考えると、
工具を使用するプロセスは最低限にとどめたほうがよい
と思いました。
具体的に、ケガが発生しそうな場面も
いくつかピックアップし、お伝えしました。
また、サイトには
「ご家族みなさんで製作してはいかがでしょうか」
とあるのですが、
取り扱い説明書が見当たらず、
対象年齢や注意表示内容が確認できませんでした。
子どもが組み立てる今回のケースを考えると、
材料の木材の角の処理が荒い(尖っている)点が気になりました。
これらのアドバイスを提示して、
それを受けたワークショップ担当者は
キットの販売事業者に取り扱い上の注意等の問い合わせをし、
「木材の角を丸くする処理をしたうえで納品してほしい」
と交渉をしたそうです。

■安全な環境の作り方
今回はワークショップの立ち合いもさせていただきました。
会場につくと、会議用の机とパイプ椅子が並んでいました。
机も椅子も大人仕様ですから、
子どもの足が床につかないパイプ椅子に座って作業するのは
体勢が安定せずに危険ですよ、と担当者に伝えました。
では、どうするか?
続きは来週にお伝えします!
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<執筆者プロフィール>
所真里子(ところ まりこ):子ども製品・保育の安全
【専門分野】
子どもの安全(製品安全、リスクマネジメント、事故予防)
日本子ども学会常任理事
製品安全対策優良企業表彰(経済産業省)審査委員
ISOガイド50(子どもの安全)JIS化委員
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