今すぐ始める熱中症対策・後編

こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。

前回、本格的な夏を迎える前に準備しておきたい熱中症対策について

以下の3つのタイトルを紹介しました。

 

①のどが渇いたと感じる前に水分摂取を

②普段の口腔ケアでできる熱中症予防

③むし歯予防を考慮した熱中症対策

 

その②のポイントが「ぶくぶくうがいトレーニング」でしたが、

もう少し詳しくお話ししたいと思います。

 

②普段の口腔ケアでできる熱中症予防_つづき

 

なんで、ぶくぶくうがいが熱中症対策?と思った方も多いと思います。

帰宅時や歯みがきの時、普段から行っている“ぶくぶくうがい”

ここを意識することで、熱中症対策になるなら一石二鳥ですね!

 

特別なことは特にありません。

いつものぶくぶくうがいの動作を少し意識して大きくゆっくり行うことで十分です。

意識して大きく行うことでお口周りのたくさんの筋肉が連動して、

普段使えていない筋肉が動き、唾液腺の刺激になります。

唾液腺の刺激が加わることで唾液分泌量が増えます。

 

実は、これが熱中症対策につながるのです。

飲んだ水分を全身に巡らせて、口腔内に唾液として分泌し口腔内の自浄作用

(元々備わっているお口の中をキレイにする力)を活用することができるのです。

 

それに加え、口輪筋という口の周りにある筋肉が鍛えられ

“おくちポカン”などの口唇閉鎖不全が解消されます。

いつもお口が開いていて乾燥しカサカサしやすい唇も

口腔機能トレーニングを行い唇がしっかり閉じられると改善します。

 

お口が閉じられると唾液が蒸発しにくく、

唾液がお口全体に行き渡り自浄作用が働きやすく口腔内の衛生状態が良くなるので

結果的にむし歯・歯周病の予防につながります。

※過去ブログ「セルフケアのポイントは「ぶくぶくうがい」と「よく噛むこと」参照
https://kodomoseiiku.jp/blog/210707-2/

 

③むし歯予防を考慮した熱中症対策=3食しっかり食べること!

水分摂取を積極的にしてくれないからといって、

こどもが好きな甘いジュースや清涼飲料水ばかりを与えていては

むし歯のリスクが高まります。

 

歯科医院でお子さんをお持ちの保護者の方に伺うと、

それを心配している方がたくさんいらっしゃいます。

 

激しい運動時、風邪等の体調不良で飲食がままならない、など

熱中症のリスクが高い気候や状況で一時的な場合は、

糖分・塩分・ビタミン・ミネラル等の補給として、

果汁やスポーツドリンクなどの摂取が必要なこともあります。

 

ですが、

日常的な水分補給として適しているのはお茶(無糖)」です。

食事の基本となる朝昼晩の食事が充分摂れていない・欠食で空腹感があると

甘い飲み物を欲するようになったり、間食の量や回数が多くなり過ぎたりして

むし歯のリスクも高くなります。

 

毎日の食事を3食しっかり食べることは、

食事から水分を摂ることにつながります。

そして不足しがちなビタミン・ミネラルなどの栄養素を充分摂取することだけでなく、

咀嚼する回数を確保することにもつながります。

 

それは、むし歯予防を考慮した熱中症対策の土台となり、

必要以上に糖分の多く含まれるドリンクを飲まなくなるので

結果的に「むし歯予防」と「熱中症対策」と一挙両得となるのです。

 

食事の際は、出汁の効いた具だくさんお味噌汁やスープなどを

メニューに加えることで水分・ビタミン・ミネラルを一椀で摂れますので、

たくさんの献立を作る大変さも軽減できそうですね。

 

そして、食事の後には「ぶくぶくうがいトレーニング」!

外出先で歯みがきが出来ない時、おやつを食べた後、

お水やお茶以外の水分摂取をした後などには、

ぶくぶくうがいをするところまでを行動のセットにすると良いですね。

 

今年もすでに気温が高い日々が長く続いています。

それぞれのご家庭で出来そうな工夫を取り入れて

元気に楽しい毎日を過ごしましょう。

 

 

宗田 香織

1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。

2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・

インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。

2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。

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