パパやママに届け!『こども成育〈食専科〉講座』を再収録して

こんにちは。一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクターの隅弘子です。

 

先日、『こども成育〈食専科〉講座』の講義を再収録しました。

 

改めて、この講座のカリキュラムを通して感じたことは、

単なる単科の寄せ集めではないことです。

 

科目を縦断して、子どもの育ちに寄り添った育児ができる講座づくりに

関わっていることを改めて再認識しました。

 

子育ては人生すごろくのはじまり?

子育てには定休日はありません。

誕生日をスタートとして、日に日にできることが増える「すすむ」マスもあれば

「なんでこうなっちゃうの?」といった悲観する「もどる」マスもあります。

 

それを繰り返しながら進んでいく人生すごろくのような一面も、子育てにはありますね。

 

「いったいゴールはいつなんだろう」と途方にくれるマスもありそうです。

 

毎日が真剣勝負、選択の連続のような日々のため、記録などつけておかないと

つい数ヶ月前に何をしていたかを思い出せないくらい慌ただしい日々でもあります。

 

ただ、このような選択の毎日であっても、だんだんコツやパターンがわかってきて

育児が楽しめるひとときや、我が子の成長に喜びを感じる場面も出てきます。

 

子どもは、目の前の大人がいちばん信頼・愛情を感じる対象者だと認識し、

親も、最初はおっかなびっくりのお世話だったかもしれませんが

日々の「すすむ」や「もどる」を通して、「かけがえのない我が子」という愛情が

より深まっていくのだと思います。

 

 

誰がサイコロをふっているの?どこかでママがするものだという深層心理

さきほどの人生すごろくに例えると、誰が一番サイコロをふっているでしょうか?

 

近年、「パパ育児」「イクメン」など父親の育児参画の高まりとともに、様々な活動が

盛んに行われています。

 

けれど、やはり「ママがすごろくをふる役割を担う場面はまだまだ多いかな」

という印象は消えません。

 

今回の『こども成育〈食専科〉講座』の再収録では、講義内で語りかける対象者を

「ママ」と言わず、「おうちの方」と子育てに携わる方全般に向けて伝えようと意識しました。

 

パパたちも、たくさん「サイコロをふる=育児に向き合う」機会が増えてくれるといいなと思います。

保育士専門学校の生徒たちに聞いた解決法では・・・

2015年(平成27年)乳幼児栄養調査(※)内に、離乳食について困ったこと

(回答者:0〜2歳児の保護者)の結果があり、「作るのが負担、大変」と回答した

保護者は33.5%にも上りました。

 

私は現在、保育士養成専門学校で教えているのですが、この調査結果を受けて

どんな解決策があるかについて、専門学校の生徒たちとグループワークを行っています。

 

まだ入学したばかりの保育者の卵たちですので、そもそもの離乳食についての知識が

乏しい中ではありますが、さまざまな解決策が出てきます。

 

そして、今年はじめて「パパが作ればいい」という意見があがりました。

 

なぜそう思ったか聞いてみると

「ママが料理が得意かどうかはわからない」

「大変と思うならそこはパパが出番でしょ」

「もしかしたら得意かもしれないじゃん」という理由を語ってくれました。

 

現役パパの生徒もいるのですが、「あげたことはあるけど作ったことはない」と

苦笑いするという一コマもありました。

 

育児はパパもママも一緒にやることで、お互いの得意や不得意を分担する方法も

大事だなと改めて感じたものです。

 

 

完璧や時短と同じくらいに回り道やムダも楽しめる育児のために・・・

大人の社会は効率を重視するのが常ですが、子育ても効率重視で進めるべきなのでしょうか。

 

「コスパ」や「タイパ」という言葉もSNSでは散見されますが、子どもの成長発達を

見守る育児においては、「効率化」という言葉は相性があまりよくないように思います。

 

「とにかくやってみて!できなければもう1回チャレンジ!がんばれ〜」の声がけや

気持ちで接して成長・発達していくのが子どもの世界。

 

時間がかかっていいのです。

 

貴重な時間をつくるには、離乳食づくりなどの負担は「コスパ情報」などを上手に活用し

必要な支援やサービスをうまく活用していくことがいいでしょう。

 

限られた時間かもしれませんが、何度も向き合って、今の子どもの気持ちや、

できること・わかることを理解しながら、一瞬一瞬の子どもに向き合うことの大事さを

子育て支援をする立場である私がもっと伝えていかねばと思っています。

 

子育て支援に貢献したいという大人はたくさんいると思いますが、ご自身の強みや

専門分野を超えて、大人社会とは異なる成長・発達が著しい「子どもの世界」

より理解し活躍できる人や保護者を増やす活動の一環として、『こども成育〈食専科〉講座』の意義を

改めて強く感じています。

 

※平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要

第1部 乳幼児の栄養方法や食事に関する状況[PDF形式:537KB]

(2)離乳食について困ったこと より

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000134207.pdf

 

 

隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士

【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。

都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。

子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。

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