こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
前回のブログでは、口腔機能のひとつ『咀嚼嚥下』について解説しました。
お口徹底解説〈Part4-1〉 口腔の基礎知識:「嚥下咀嚼ってなに?」を徹底解説!
今回は、食べるために必要な咀嚼嚥下の機能を発達させるうえで、大切になるポイントをご紹介していきます。
食べる機能の発達には、「口の周りの筋肉」をしっかり動かすことが大切!
育児書などで、「歯が〇本生えたら、これくらいの形状の食べ物が食べられる」という文言を目にすることがあります。
しかしながら、これはあくまでも目安です。
「歯が〇本生えているなら、絶対にこれが食べられます」ということではなく
食べる機能すなわち、咀嚼嚥下機能は成長発達には、口の周りの筋肉である「口腔周囲筋」の発達が不可欠なのです。
口腔周囲筋をしっかり動かすと、顎骨の成長を促し顔貌(顔立ち)や歯並びの成長発達にも繋がります。
では、口腔周囲筋をしっかり動かすにはどうしたら良いでしょうか。
いつもブログを読んでくださっている皆さんは、『もしかしたらこれかな?』と
思い当たることがあるのではないでしょうか。
そうです! ひとつは『よく噛むこと』です。
参考:お口徹底解説〈Part1-2〉口腔の基礎知識:「よく噛んで食べる」ことが大切な理由を理解する
そして、『お口を使った遊び』もオススメです。
参考:うがいもマグトレも日常の自然な行動で習得できる【後編】
これらは、毎日する行動なので習慣として取り入れやすいかと思います。
よく噛んで食べて、お口周りの筋肉も鍛えよう!
「食べるの楽しい!」という食卓づくりもポイント
食べる機能を育むうえで、『好き嫌いが多い』ということも課題の一つになります。
好き嫌いは味の好みのみならず、お子さんの歯では噛み(飲み込み)にくいことがあります。
また、好きな物であっても、
・アイスを食べたら冷えてお腹を壊した
・卵を食べたら殻が入っていてガリっとした食塊が気持ち悪かったなどの
「嫌悪学習」という嫌な体験をした場合などで起きることもあります。
さらに「好き嫌いしないで何でもちゃんと食べなさい!」 「早く食べなさい!」と
怒ったり急かしたりすると、嫌悪学習はさらに深刻になってしまいます。
そうなると、「よく噛んで食べて欲しいけれど食が進まない」
「そもそも食事に集中してくれない」と根本的なお悩みにつながってしまうことも。
こうしたときに、苦手な物を小さく刻んで無理やり食べさせたり、
濃い味付けで誤魔化してしまうのはできるかぎり避けましょう。
まずは食べられる物からで良いので、
「食べるの楽しい」
「ママやパパといっしょに食べると美味しい」
「好きなキャラクターが食べていたものを食べてみたい」
「食べた事ないけど食べてみようかな」
など、食への興味を持ってもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。
「◯才だからこれが食べられると育児書に書いてあったけれど…」
「◯◯ちゃんはできるのに…」と焦ってしまう気持ちはよくわかります。
けれど少し落ち着いて、お子さんの状況をよく観察しながら
「食べない、あるいは噛まない理由は何なのかな?」
「どんなアプローチをしたらやってみよう食べてみようという気持ちを引き出せるかな?」
と視野を広げてみると良いですよ。
そして、私たち『こども成育インストラクター』もお力になれると思います。
歯科衛生士・管理栄養士・保育士など職種の垣根を越えたサポートができることが
日本こども成育協会の強みです。
いつでもご連絡お待ちしております!
宗田 香織
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。