おいしいひと口のサイズをサポートする2つの視点〈一緒に食べることを楽しむのに知って欲しいこと〉後編

こんにちは。一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクターの隅弘子です。

前回のブログでお伝えした「最高&最幸」のひと口ショット、みなさんチャレンジされましたか?

おいしいひと口のサイズを練習しましょう〈一緒に食べることを楽しむのに知って欲しいこと〉前編

 

おいしいひと口のサイズで食べる力をあげていくためには、日々の食事がその練習の場となりますが

うまくいかないこともあります。

そこで今回は、2つの見落としがちな視点をお伝えいたします。

〈視点1〉味わう準備は整っていますか?〜うま味は出汁以外に旬の食材を味わうことから〜

離乳期は本やSNSなどでこだわって離乳食を作ることが多いですが、幼児期になると大人と同じメニューでも

子どもが食べられるものが増えてきます。

作る労力からの開放感を感じやすい時ですが、まだまだうす味で整えてあげることも大切です。

 

日本料理や懐石料理など上品な味のものは、大人もじっくり味わいながらいただき、その味の深さなどに感銘を受けます。

同様に、子どももうす味の中にもおいしさを見出せるような経験をすることが大事です。

それには、出汁をきかせたお料理がよく、塩分に頼らなくてもおいしくいただけます。

出汁はうま味を感じて味わうことが大切であって、特別な料理スキルはそこまで必要ありません。

特に旬の食材はたくさんのうま味を持ち合わせています。

新鮮なお野菜をさっと出汁で煮てあげるだけでもおいしくなりますので、

「旬のおいしさ」を味わう経験をご家庭でもできたらいいですね。

 

また、幼児は味を感じるセンサーといえる味蕾(みらい)は大人よりも感度が高いので

大人がうすいと思っている味でもおいしさをたくさんキャッチします。

 

大人と同じものを食べることは子どもにとっても嬉しい経験ではありますが

メニューによっては濃い味を経験することにもなります。

お口に入れた途端、塩味や甘味など味蕾で「がつん」と察知した味は

本能的にそのまま飲みこんでしまったり、お水などの水分で流し込む習慣にも繋がりやすいです。

 

〈視点2〉 おいしいひと口をいれたあとの動作を学習する経験は十分ですか?

ひと口サイズでお口にいれたら、その後の動きを連続的に練習することで咀嚼力がアップします。

その見本となる動作はどう学ばせたらよいでしょうか。

これは動画などを見せるより、目の前で一緒に食べるご家族やお友達と確認することが一番の方法です。

 

保育園などの給食の時間では、先生や同年齢のお子さんたちと食べているところを観察しあったりしていることでしょう。

ではご家庭ではいかがでしょうか?

一緒に食べるご家族もひと口サイズを見直して、一緒に練習しあってみてください。

 

つい、食べたかどうかの確認や、早く食べて欲しいと思うがあまりお子さんの食べる様子についての観察が少ないように感じます。

休日の食卓や時間に余裕があるときこそ、お子さんの食べる様子を観察しながら

ご自身の食べる時間もしっかり確保できる食卓を意識してくださいね。

 

 

隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士

【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。

都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。

子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。

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