こんにちは。一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクターの隅弘子です。
前回は、保育士養成の専門学校の授業で取り組んでいる絵本紹介から
印象に残った1冊である絵本「まほうのわくわくおにぎり」(KADOKAWA)を
ご紹介しました。
身近な保育時間が育む食育の視点 〜2023年!私が購入した絵本を紹介します〜
今回は、そうした絵本の読み聞かせを、どのように食育に活用していくかに
焦点を当ててお話してみたいと思います。
どんな食育のねらいに沿っているか考えるだけで普段の読み聞かせタイムが変わる
絵本の読み聞かせは保育の時間、そして家庭でも行うことができる親子の時間です。
読むだけでもさまざまなコミュニケーションが広がりますが、
「食育につながるかな?」という視点をもっているとさらにコミュニケーションが
しやすくなったり、発見・学びの機会を作り出すことができますね。
私が食育において、保育の一環として意識している基本の「き」としているのは
「5つの子ども像」です。
これらは、保育所保育指針で述べられている保育の目標を食育の観点から具体的な子どもの姿として
表したものですので、保育のどの場面でも活用できるものです。
1. お腹がすくリズムのもてる子ども
2. 食べたいもの、好きなものが増える子ども
3. 一緒に食べたい人がいる子ども
4. 食事づくり、準備にかかわる子ども
5. 食べものを話題にする子ども
保育所にある絵本も、この5つの子ども像に沿う点をみつけてあげると
実は食育に活用できるものが無限にあるのではないかと思うくらいです。
たまには大人が真剣に絵本を読んでみるのも再発見を感じることが!
また、昔から読み継がれてきた絵本のいいところを再発見したり
食生活・食習慣の違い・変遷などを感じるといった視点もできるでしょう。
実際、過去の指導した生徒の中に、昔から読まれている絵本を選び
改めて読んでみたら驚きがたくさんあったという報告をしてくれたことがありました。
今の時代なら「こんなことをしないですよね!「**ちゃんは、あっちいってなさいと
台所から出されてしまうなんて!」といった違いがあったことを報告してくれました。
その生徒は「食事作り・準備に関わる子どもを積極的に行いたい」という思いで
簡単にお手伝いができる方法を一緒にプレゼンするなど、保育者の卵なりの
自分の思いを発表することもありました。
みなさんも小さい時に読んでいた絵本など読み返してみてはいかがでしょうか?
小さな読書の秋を始めてみませんか?
参照:5つの子ども像
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/06/dl/s0604-2k.pdf
隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士
【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。
都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。
子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。