こんにちは。一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクターの隅弘子です。
今年も栽培活動をはじめる季節となりました。
私が講師を務める保育士養成の専門学校でも、昨年より授業の一環として
トマトとパプリカを食育の授業で栽培しています。
栽培活動は、保育所などでも取り入れられているところは多いと思います。
栽培活動をするには、さまざまな準備や毎日のお世話などが大切です。
「大変」と思うより「ワクワク」する仕掛けを考えながら
今年も栽培活動がスタートしました。
【作物に名前があったら・・・?】
栽培しているものはトマトとパプリカ。
単にお世話をしましょうと声がけするより、それぞれに名前があると呼び方も変わりますね。
今回は4つの苗からはじめました。
学生なので少し気取った名前やあまのじゃくな名前になっていますが、
それぞれつけた名前でお世話することで、愛着をもって水やりなどに取り組んでもらっています。
私も授業内では、苗の名前で呼んでいます。
愛着がもてるということは、それだけ人と苗との距離感が縮まるということ。
日々の保育で「栽培している」ことが、生活の一部としてより根付きやすいでしょう。
【どんなおやくそくなら楽しめるかな】
栽培活動の開始直後、生徒たちは実習にでかけました。
2週間もの間、お世話ができないため、学校の先生方に水やりやお世話を依頼することに。
その期間のお世話は誰かに頼まないと枯れてしまいます。
この機会に栽培物のお世話方法をどのように伝えるか考えてもらいました。
これも食育と保育を結びつけるのに大切な視点です。
内容は、栽培ガイドなどを参考に箇条書きで書いてもらう形式をとりました。
最初は水やりを忘れない、水は上からかけすぎないなどといった
「〜しない」といった言葉がたくさんあがりました。
【禁止事項を伝えるより、やる内容を明確に伝える言葉選び】
隅:「あれあれ、みんな。『◯◯しない』と言われると余計にやりたくなったりしない?」
生徒:「たしかに〜」
隅:「『こうやってやってみよう、◯◯してみよう』といったニュアンスだと
頑張ってみようかなっていう気持ちになると思うんだけどな」「どんな言葉に変換したらいいと思う?」
というようなやりとりを重ねていくうちに、少しずつお約束事項の内容を書き換えていました。
【栽培させられているではなく、お世話したい環境を】
実際にお世話をする内容はシンプルなことでも、言い方ひとつで「意欲の度合い」も変わるのが不思議ですし
それが言葉の魔法だと思います。
普段から子ども達にどのような言葉を選び、会話をしているか。
子どもたちは耳から聞こえる言葉をそのまま吸収する素直な心をもっていますので
栽培でも、携わる園のスタッフに対してでも、常にポジティブな話し方を心がけたいものですね。
ーーーー
当記事で栽培している植物は、弊協会監修による
カゴメ株式会社様 ベジ・キッズ『考える力』プログラム
「五感でいのちの不思議をまなぶ野菜栽培キット
を使用しています。
詳しくはこちらをご覧ください▽
五感でいのちの不思議をまなぶ野菜栽培キット|ベジ・キッズ『考える力』プログラム|カゴメ株式会社 (kagome.co.jp)
ーーーー
隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士
【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。
都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。
子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。