「こども成育インストラクター《食専科》」の教材のひとつに、
『こどもの食認識カード』というものがあります。
これは、「こどもの食行動」の講義をご担当くださっている
秋田大学教育文化学部准教授の瀬尾知子先生が開発され
研究調査にも活用されている教材です。
こどもの食に関する情報収集は、一般的に親御さんにお話を
伺う場合がほとんどです。
しかしながら、どうしても「親の視点」や「親の考え、思い」などの
バイアスがかかってしまうことがあります。
そこで『こどもの食認識カード』を使いながら、こどもに直に
話を聴くことで、より実態の把握が可能になるのです。
このカードを使ったインタビュー調査が、講座の課題にもなっています。
実際にこどもたちの話を聴いてみると、大人が思っている以上に
こどもたちは「食」に関する知識を持ち、さらに周りの大人の言動を
つぶさに観察していることに驚かされます。
先日、隅弘子先生がおこなったオンライン授業でも、
この『こどもの食認識カード』を使って、こどもたちに少し質問を
投げかけてみました。
どういった食べ物が身体にいいのか、その理由まで非常に明確に答える
こどもたちの姿に、講師の隅先生はじめ事務局スタッフも感心しきりでした。
(どのような回答が出たかは、ぜひこちらの動画をご覧ください)
この『食認識カード』を使ってインタビューをすると、そのご家庭の食卓の様子、
親子間での会話までもが、如実にあぶりだされてしまいます。
少々戸惑う側面がありながらも、お子さんがどのように答えたのかを聴いた親御さんは
お子さんがしっかり自身の食に対して考えを持っていること、
そしてそれを相手にしっかり伝える力が発達していたことに、非常に感動されます。
こうした経験も、「わが子をもっとよく観察してみよう」という動機づけの
一つとなるようです。
こども成育インストラクターは、こうしたツール、そして知識を駆使しながら
「こどもを観察すること」の大切さや喜びをお伝えしてまいります。