日本こども成育協会理事の沢井佳子先生と、料理芸人で2児の男の子の子育て
真っ最中のクック井上。さんのトークショーレポート。
前回は、4歳ごろに生じる「発達の谷間」についての沢井先生のお話でした。
3歳、4歳、5歳とだんだんとできること、わかることが増えていくように
考えがちですが、実際はそういうわけではありません。
たとえば、おとなでも急に英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語と
4か国語の勉強をしはじめたらどうなるでしょうか?
混乱して、フランス語とドイツ語が混ざってしまったり
母国語の日本語が出てこなくなってしまったりすることでしょう。
同じように、4歳ごろのこどもたちは、学習したたくさんのことを
整理している途中でエラーが生じているわけです。
ですから、3歳でできたことが4歳でできなくなってしまっても
不安になるのではなく、
「4歳というのは、調整するために手間がかかる時期なのだ」と
おとなが構えて見守ってあげることが大切だと沢井先生は言います。
また、4歳ごろはこれまで単語での会話だったのが、
文章で話をしたいという意欲がわいてくる時期。
そこで文法が必要となってきます。
たとえば、英語の「run」という単語は過去分詞でも「run」ですが
過去分詞形にはedをつけるという文法を学んでいるがゆえに
自分でその法則にあてはめようと「runned」と言ってしまう。
4歳頃は、このように自分なりに決まりを作り出そうとしていたり、
「こういう仕組みがあるのではないか」と考えながら話をしているからこそ
間違えが起こる時期なのです。
さらに、「発達の谷間」が3歳のおわりぐらいに表出するお子さまもいれば
5歳になったころに生じるお子さまもいます。
「発達の谷間」が生じるということ、
またそれにはお子さまによって個人差があるということを
おとなは頭に入れておくことが大切ということなのです。
次回につづく。