日本こども成育協会理事の沢井佳子先生と、料理芸人で2児の男の子の子育て
真っ最中のクック井上。さんのトークショーレポート。
今回も、4~5歳のお子さまについての沢井先生のお話をご紹介いたします。
4歳ごろのお子さまでとても興味深い発達の一つは、
人が見ている世界と自分が見ている世界はちょっと違うかもしれない
ということや
自分は知っていてもちゃんと説明しないと相手はわからないよね
相手がちゃんと言ってくれないと相手の考えは自分にもわからない
といったことが、しっかりわかってくる頃だということです。
沢井先生は、一つの実験例を紹介くださいました。
部屋に赤と白の二つの箱があります。
Aちゃんが部屋に入ってきて、赤い箱をあけるとアメが入っています。
白い箱は空っぽだったので、白い色が好きなAちゃんは
アメを赤い箱から白い箱へと移しました。
Aちゃんが部屋から出ていったあと、Bちゃんが部屋に入ってきます。
白い箱を開けるとアメが入っています。
赤い箱を開けると中はからっぽです。
赤い色が好きなBちゃんは、アメを赤い箱へと入れ替えて部屋を出ていきました。
そこにさきほどのAちゃんが戻ってきました。
さて、Aちゃんは赤と白のどちらの箱を開けるでしょうか?
みなさんは、「白い箱」と答えるでしょう。
けれど3歳児は、「赤い箱」と答えるそうです。
さきほどAちゃんが白い箱にアメを入れ替えたのですから、
Aちゃんの立場で考えれば「白い箱」になるのですが
3歳児はAちゃんがどう思っているか、信じているかはお構いなし。
「自分は赤い箱にアメがあるのを知っているよ、だから赤い箱」なわけです。
一方で、4歳児は「白い箱」と答えるそうです。
Bちゃんが入れ替えたから、アメが実際に入っているのは「赤い箱」だと
認識したうえで、Aちゃんは自分が白い箱にアメを入れたところまで知っているから
Aちゃんは「白い箱」を開けると予想できるそうです。
つまり、「現実とAちゃんの見方の違い、ズレ」が4歳児になると
わかるようになると、沢井先生は言います。
次回へ続く。