こんにちは。理事の大塚千夏子です。
10月14日、
Early Childhood Oral AcademyトレーニングプログラムのDAY3の
特別公開講座には、37名のお申し込みをいただきました。
講義テーマは
「保育のプロから学ぶ!0歳児からの食の発達と自立」
食の発達を「みる」場所は
「家庭」「保育」そして「歯科」へと広がっています。
歯科向けのプログラムの中で
「口腔発達」という狭い領域にとらわれることなく
全人的に「みる」視点を持つきっかけになればと
株式会社はな保育取締役・保育士の滝口菜穂子先生をお迎えし、
0歳児からの食の発達と自立の支援について考える機会をつくりました。
今回はそのレポートです。
※トップ画像は滝口菜穂子先生のスライドを基にAIで生成したものです
■「食べる」は「学ぶ」
「Early Childhood Oral Academy」という名前から、
歯科の専門的な講座を想像されるかもしれません。
でも、今回の学びは、子育て支援に携わる方にも、
子どものための商品やサービスを考えている企業の方にも、
一緒に考えていきたい内容です。
なぜなら、「食べる」は「生きる」そのものだからです。
そして、
「食べることの自立」は「自立を学ぶ最初の一歩」
でもあります。
はな保育の保育方針では
0歳児1人の食事に1人の保育士がサポートに入るそうです。
(一般的に0歳児3人に対して保育士1人)
そうして一人ひとりの発達段階を観察し
必要な時だけ「ちょっと」手助けするのだそうです。
香りや視覚でとらえた食べ物に気づき、
手を伸ばし、
触れてみる。
つかんだものを口へ運ぼうとする。
うまく入らなくて、もう一度やってみる。
くちびるや舌、音で食べ物を感じる。
大人には何気なく見える食事のひとこまに、
子ども自身の挑戦がたくさん詰まっています。
子どもの心の中には、
「やってみたい!」
「どんな感触?」
「どんな香り?」
「どんな味?」
「なにこの触感?」
「もっと知りたい!」
そんな気持ちが動いていることを
はな保育の保育士の皆さんは知っています。
食べることを通して生まれるこの好奇心は、
これから多くの物事に出会っていく子どもの、
探求心の源です。
食卓は、おなかを満たす場所であると同時に、
自分で世界を確かめる場所でもあるのですね。
大人はどうしても「食べた量」「栄養バランス」が気になります。
「今日はこれだけしか食べてくれない」
「栄養バランス大丈夫かな」
「せっかく作ったのに、触ってばかり」
「そろそろ次の段階に進んでほしい」
毎日食事を用意する保護者なら、
そう思うのも自然なことです。
忙しい時間に食べ物を落とされたら、
ゆっくり見守る余裕がなくなる日もあります。
だからこそ、保護者と
保育園での様子と家庭での様子を共有し合い、
食べた量や品目だけでは分からない、
その子の今の姿にも目を向けたいと思います。
たとえば、自分から手を伸ばしたこと。
初めての食べ物をじっと見ていたこと。
指先でつまもうと、何度も試していたこと。
「食べなかった」という態度の中にも、
よく見ると、その子なりの「やってみた」があるのです。
■「手伝う」よりも実況中継
「今日は自分から触ってみたんだね」
「自分で持って食べるのかな?」
子どもの行動に目を向けて
実況中継をすることは、
子どもが自分の行動そのものを認知する助けになる。
滝口先生の講義でも触れられていましたが、
沢井佳子先生(弊協会理事・発達心理学専門家)も
よく話題に挙げています。
食事は、栄養摂取だけではなく、
「大好きな人と一緒にチャレンジする時間」です。
そばにいる大人が、
自分のしようとしていることに気づいてくれる。
言葉にして語り掛けてくれる。
うまくいかないときには、少し手を貸してくれる。
そして、自分でできたときには、
一緒に喜んでくれる。
そんな時間を、子どもと重ねていきたいですね。
食べることの自立を支えるとは、
子どもと大人の相互の関わりの積み重ねなのだと
今回の講義で改めて感じることができました。
■子どもの「今」と「ちょっと先の未来」を見る視点
「離乳食の食べさせ方がわからない」
「どうしたら食べてくれますか?」
という相談に、やり方をお伝えすることは大切です。
それ以上に、
「食べるときにどんなことをしていますか?」
「何を楽しんでいそうですか?」
と尋ねてみる。
もう一つ、踏み込むと
「食べてくれないことで何が心配ですか?」と
親の気持ちを聞き出すことも大切です。
困りごとを入り口に、
子どもの育ちに注意を向け
保護者のお悩みに
「やり方」だけを教えるのか
「お子さんの行動と気持ちを見る」視点もお伝えするのか
どちらの方が頼りにされるでしょうか。
今回は、保育と歯科の連携をコンセプトに企画した特別公開講座でしたが、
今後は、地域の子育て支援、企業、様々な専門分野との連携も視野に
子どもと子育てを360度全方位から「みる」視点を
多くの方と共有したいと思っています。
今回の学びが、
子どもの成育環境をより良くするつながりのきっかけになればうれしく思います。
貴重な学びをご提供くださった
株式会社はな保育取締役・保育士の滝口菜穂子先生に心より御礼申し上げます。
本講座のアーカイブ動画を、有料でご視聴いただけます。
ご希望の方は、Peatixの申込ページから詳細をご確認ください。

