日本こども成育協会シニアフェローの所真里子です。
子どもの安全の専門家として研究を進める傍ら
事故防止のための監修、コラム執筆を行っています。
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先日、東京都からの依頼で
子育てひろば職員の皆さんに
「安全な子育てひろば運営に役立つリスクマネジメント」
というタイトルで研修を行いました。
*子育てひろばについては、こちらを参照
https://kosodatehiroba.com/corporate
■教えられる研修ではなく、自ら気づく研修
リスクマネジメントの難しいところは
「これをすれば絶対安全」というものがないこと。
「子育てひろば」と一言でいっても、
設置されている場所は、保育施設、児童館、空き店舗、マンションなど様々です。
リスクマネジメントや事故予防の基本知識は教えますが、
「自分たちのひろばの安全」を自分たちで考えるために
一歩を踏み出せる研修を心がけています。
■晴れやかな表情で参加者が語ったことは・・・
研修後の、アンケートを記入する時間はいつも緊張します。
研修内容がいまいちだと、
アンケートを記入せず、
参加者は早々に離席してしまうものです。
ドキドキしながら会場を眺めていたら、
一人の参加者から声をかけられました。
“今日の研修に参加して、すっきりしました。
ひろばにはいろんな年齢の子が来る。
そこは悩んでも変えられません。
変えられるものは玩具しかありません。
だから、玩具を見直すことにします。”
とても晴れやかな表情で、
自分に言い聞かせるように話されていました。
■「変えられるもの」とは?
事故予防は、製品や環境の改善、教育、法整備 の3つの側面から
アプローチすることが重要だといわれています。
そして、
「変えられないもの」と「変えられるもの」を整理して、
「変えられるもの」から手を付けていきます。
子どもの年齢や部屋の柱の位置等、
考えたところで「変えられないもの」があります。
「変えられないもの」で思考を止めず、
「変わられるもの」に目を向けていくことが大切なのです。

『子供の事故予防ハンドブック カエルくんと学ぶ「変えられるもの」 乳幼児編』(東京都、2024年)より
https://kodomosafetypj.metro.tokyo.lg.jp/about/redesign/
■自ら気づいたことでなければ取り組めない
多様な参加者が集う集合研修では、
研修テーマの概論や関連知識の説明が中心となり、
参加者が抱えている個別の問題に対応することは
難しいのが現実です。
しかし、問いをたてるワークを入れたり、
課題を整理する理論を紹介したりするなど
参加者一人一人に気づきを与えることはできます。
人から言われたことよりも
自分で気づいたことのほうが
手も足も動き、知恵も働きます。
そんなことを考えて、研修を構成しました。
参加者の方々がそれぞれの気づきを得たようで
こちらも嬉しくなりました。
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日本こども成育協会では、
子ども向け施設等で働くスタッフの「安全の研修」に取り組んでいます。
ご相談等はこちらまでご連絡ください。
https://kodomoseiiku.jp/contact/
<執筆者プロフィール>
所真里子(ところ まりこ):子ども製品・保育の安全

【専門分野】
子どもの安全(製品安全、リスクマネジメント、事故予防)
日本子ども学会常任理事
製品安全対策優良企業表彰(経済産業省)審査委員
ISOガイド50(子どもの安全)JIS化委員
【略歴】
ベネッセコーポレーションに20年以上勤め、教材編集、子ども研究、知育玩具や通販
商品の事故事例分析や安全基準づくりに取り組む。在職中に日本女子大学大学院で子ど
もの事故予防を研究。
2013年保育の安全研究・教育センター設立に参加。2021年4月~2025年3月まで、消費
者庁政策調査員として、教育・保育施設、放課後児童クラブ、障害福祉施設、介護施設
等から提出される重大事故報告書(約2500件/年)の調査及び照会業務に従事。
現在は子どもの安全の専門家として、研修講師、保護者への安全講習、製品安全行政
の委員、企業へのアドバイス等を行っている。
<著書>
『イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室
~子どもの「危ない!」の見つけ方・伝え方~』(ぎょうせい)

