水あそび・砂遊び―感触を味わう2歳、世界をつくる3歳

こんにちは!
理事の大塚千夏子です。

子どもの認知発達は遊び方の変化に大きく関わります。
同じ遊びでも、発達段階が進むと遊び方が変わっていきます。

その具体的な変化を
私たち協会の理事であり、
子どもの認知発達の専門家である
沢井佳子先生に解説していただきました。

水をすくってはこぼす。
砂を握っては落とす。

大人から見ると同じことの繰り返しでも、
子どもにとっては一回ごとに違う発見があります。

沢井佳子先生は、
2歳と3歳では、同じ水・砂遊びでも
「遊びの質」が変わると話します。

■2歳 ― 入れる、出す、流れるを身体で知る

2歳頃の水遊びは、水そのものとの出会いが中心です。

手を入れると冷たい。
たたくとはねる。
カップに入れ、傾けると流れ出る。

容器から容器へ移そうとして、
ほとんどこぼれてしまうこともあります。

砂も同じです。
さらさら落ちる乾いた砂、
握るとまとまる湿った砂。
山を完成させることより、
触ったときにどう変わるかが面白いのです。

沢井先生のお話では、
2歳は目の前にある具体的なものと
その動きが、遊びを支えます。

水をくむバケツ、
水を落とすじょうろ、
砂を入れる容器など、

何をする道具かが見てわかり、
扱い方が単純なものが遊びを助けます。

■繰り返しは「実験」

何度も水をくんでは捨てる子を見て、
「また同じことをしている」
と思うかもしれません。

けれども

子どもは、量、重さ、速さ、手応えを
毎回確かめています。

いっぱい入れたら重い。
細い穴からは少しずつ出る。
高いところから落とすとはねる。

言葉で説明できなくても、
手と目を使って因果関係を集めているのです。

■3歳 ― 見立てと目的が加わる

3歳頃になると、
水や砂は「何かの代わり」にもなります。

砂のケーキに葉っぱを飾る。
水をスープに見立てる。
溝を掘って川をつくり、船を流す。
バケツをお店の鍋にする。

沢井先生は、
3歳に近づくと
「頭の中にイメージがあり、足りないものを別のものでつくれる」
と説明します。

2歳では本物に近い道具が遊びの意味を支えますが、

3歳では

シンプルなカップや棒、石にも
役割を与えられるようになります。

さらに、
「ここから水を流して池につなげよう」と目的を持ち、
必要な手順を考える姿も出てきます。
一人の感覚遊びだったものが、
友達とイメージを共有する遊びへ広がっていくのです。

■観察したいのは、完成品ではなく変化

立派な砂のお城ができたかどうかだけでは、
発達はわかりません。

昨日は砂を握って落とすだけだった子が、
今日はカップへ入れようとしている。

いつも水をこぼしていた子が、
容器を近づけて移すようになった。

一人で遊んでいた子が、
友達の水路へ水を流した。

こうした小さな変化に、
手先の調整、空間の理解、相手への関心が表れています。

年齢の違う子が同じ場所で遊ぶときも、
同じ完成を求める必要はありません。

2歳の子は水を運び、
3歳の子はその水で川をつくるなど、

それぞれの面白さが一つの遊びの中で重なることがあります。
子ども同士がどうつながるかを見るのも、水・砂遊びの醍醐味です。

■うまくできない時間を奪わない

型から砂が崩れる。
じょうろの水が目的の場所まで届かない。

大人はつい手を出したくなりますが、
そこで「どうしてだろう」と試す時間が生まれます。

乾いた砂では固まらないと気づき、
水を足してみる。

水路の途中が高いと流れないと知り、掘り直す。

これは遊びの中の科学です。

もちろん、
水の深さや誤飲、衛生面などには大人の見守りが必要です。
そのうえで、結果を急がず、
子どもの実験の繰り返しを
根気強く観察したいものです。

感触と変化を丸ごと味わう2歳。
イメージと目的を加え、ひとつの世界をつくる3歳。

服や手が汚れたその向こうに、
子どもの発達の確かな足跡があります。

ーーーー

遊びと学びは同じ地平にあります。
発達の段階が進むと
遊び方の質も変わります。
遊びという実験を通して多くのことを学び
次のステップへと向かいます。

これから不定期ですが、
あそび・おもちゃと発達の関係について

沢井先生のコメントを軸にシリーズでお伝えします。

どうぞお楽しみに☆