咀嚼嚥下の機能に合わせた食事の楽しみ方 :ユニバーサルデザインフードセミナーレポート〈前編〉

こんにちは。歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。

気温が低い日が続くようになり秋の気配を感じるようになりました。

 

皆さんは〇〇の秋、と言うとどんな言葉を思い浮かべますか?

私はやはり“食欲の秋”。

それぞれの季節の旬のものは一年を通じて食卓の楽しみになっていますが、

秋の食材はなにか特別です。

 

ということで、今回のブログではいつもと少し目線を変えて、

大人の食事から乳幼児の咀嚼嚥下機能の発達を考えてみようと思います。

 

先日、日本こども成育協会にて開催したユニバーサルデザインフードセミナーの

レポートも交えてお届けします。

 

ユニバーサルデザインフードとは?

皆さんは、「ユニバーサルデザインフード」という言葉を聞いたことがありますか?

「介護食」という方が、耳なじみがあるかも知れません。

 

介護食というと、高齢になって歯が悪くなったり、入れ歯になったりしたら

食べる物というイメージがあるかと思います。

 

一方でユニバーサルデザインフードは、年齢や障害のあるなしに関わらず

咀嚼嚥下機能に応じた日常の食事から介護食まで、できるだけ多くの人が

利用できるように考えられた『食べやすさに配慮したやさしい食品』のことです(※1)。

 

また、ベビーフードとの違いは

味が濃い、栄養素が多い、塩分が高い(UDF2%⇔ベビーフード0.5%)ということがあげられます。

※ユニバーサルデザインフードは、乳幼児には与えないように注意が必要です。

 

 

私は、幼少期に祖父母・曾祖母と一緒に過ごすことが長く、同居人数も多かったので

介護食や離乳食を含めた各世代別の献立が並ぶ食卓の風景は身近でした。

 

「おじいちゃん・おばあちゃんになると食べられないものが増えて

いつも柔らかいものばかりだし、食べるのも大変そうだな…美味しいのかな?」

「様々な料理を作るお母さんも大変だな」

 

と子どもながらに感じていましたが、自分が介護食を食べるのはずっと先のことだと思っていました。

料理が好きで、中学高校生の頃になると祖父母に何か作ることも増え、

自分なりに咀嚼嚥下に配慮した調理もしていました。

 

これまで自分流に作っていたので、歯科医院でも活かせる介護食を…と調べていたところ

ユニバーサルデザインフードの取り組みについて知る機会があったのです。

 

高齢者だけではなく、例えば歯の生え替わりの時期の子どもたちや、

矯正治療中・抜歯などの術後などにも活用できるのではないかと感じました。

 

そこで、キユーピー株式会社様にて行われたユニバーサルデザインフードのセミナーを

7月に受講し、これは日本こども成育協会の活動でも活かせそうと思い、

改めてセミナーを協会にて開催していただきました。

ユニバーサルデザインフードは咀嚼機能に応じ4段階に分けて作られています。

 

キユーピーの特設サイト(※2)に掲載されている簡単なチェック項目で、

どの段階の食品が合っているかがわかるので、対応したものを商品ラインナップから選ぶことができます。

 

先に述べたように、高齢になった時だけではなく

・むし歯などの治療中や術後

・矯正治療中で歯に負担がかかって痛みがある時

・口内炎や傷がある

・歯の生え変わりの時期

などの時期は、咀嚼嚥下(噛む・飲み込む)機能が普段と比べると低下します。

 

またよく嚙めないことで味覚にも影響が出るので、食事が美味しいと感じられなくなってしまいます。

 

いつもの食事をいつも通り良く噛んで味わい楽しんで食事をすることが想像以上に困難になりますが

こういった商品を取り入れることで、いつでも誰でも安心して食べられます。

 

また、提供・介助する側の負担も少なく活用できると感じました。

 

次回に続く。

 

※1  参考サイト:ユニバーサルデザインフード 日本介護食品協議会 (udf.jp)

https://www.udf.jp/

※2  やさしい献立 キユーピー株式会社

https://www.kewpie.co.jp/udfood/

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宗田 香織

1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。

2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・

インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。

2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。

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