歯科クリニックでよく聞かれる【子どもの口の悩み】とは

いつもブログを読んでくださっている皆様、こんにちは。

歯科衛生士・子ども成育インストラクターの宗田香織です。

 

今年は“酷暑”と表現されるほどの気温で本当に暑い日が続きますが、お元気ですか?

 

園や学校が夏休みに入り、私の勤務先の歯科クリニックでは平日の日中も

園児や小学生の患者さんが多くなりました。

 

毎年この時期は『そろそろ矯正を始めようかな?』と長期のお休みを利用して

ご相談される患者さんが増えるように感じます。

 

ここ数年子どもの『う蝕罹患率(むし歯の本数)』は

3歳児 2.90本(平成元年)→0.54本(平成28年)で

 う蝕有病率は、 55.8%(平成元年)→15.8%(平成28年) と年々減少。

 

12歳児 4.30本(平成元年)→0.84本(平成28年)で

 う蝕有病率は、 88.3%(平成元年)→35.5%(平成28年) と年々減少しています。

 

一方で、歯列不正(歯並びが悪い・噛み合わせがおかしい)は増加傾向にあります。

 

また、マウスピース矯正など器具が目立たない方法などの選択肢が増えたこともあり

矯正治療を希望する患者さんは子ども大人も年々増える傾向です。

 

それに伴い、歯科医院で伺うお子さんについての相談事も変化してきています。

 

・食事について

(好き嫌いが多い、早食い、食べるのが遅い、食べ方が変、柔らかいものやお菓子ばかり食べる、便秘のせいか食欲がない)

・すぐ怒る(不機嫌なことが多い、など普段の様子や親子関係)

・集中力がない

・ずっとゲームばかりしている(動画ばかり見ている)

など、食事や普段の生活の様子についてのお悩みを伺うことも多くなった様に感じます。

矯正治療を行うにあたって、歯並びの良し悪しとお食事や日常の癖や姿勢など

生活習慣は切っても切り離せない関係です。

 

「遺伝だけではなく、食事を含めた日常のお口の姿勢やどんな動きをしているかなどが

お子さんのお口やお顔の成長発達を促し歯並びにも繋がるんですよ」とご説明すると

「始めて知った!」

「歯並びは遺伝だけではなく、日常の習慣の改善も必要なのですね?!」

と驚く方がとても多いです。

 

矯正治療のみならず、私たち歯科衛生士や歯科医師には当然のことでも

患者さんにとっては初めて聞くことや疾患や生活習慣との関連性は

ピンとこないことも多いものです。

 

そこで、「治療前にしっかりご説明し治療中にも疑問に思っていることはないか?」

「治療の妨げになっている因子はないか?」などヒアリングし必要なアドバイスを行っています。

 

具体的なアドバイスとしては、

◎お口の正しい姿勢

◎舌を含めたお口周りの筋肉(口腔周囲筋)のストレッチ

◎噛む飲み込むの正しい動きの練習

◎口腔周囲のセルフマッサージ(お子さんの仕上げ磨きの時にも活用できる)

などをお話したり実際のやり方を説明し伝えています。

 

下記の過去ブログ記事なども参考にしてください。

毎日のちょっとした工夫で歯やお口がもっと元気に!

https://kodomoseiiku.jp/blog/210715-2/

お口徹底解説〈Part1-3〉 口腔の基礎知識:「よく噛む」ために幼児期からできる練習法

https://kodomoseiiku.jp/blog/231205-2/

うがいもマグトレも日常の自然な行動で習得できる【後編】

https://kodomoseiiku.jp/blog/220429-2/

 

 

次回は、私たち歯科クリニックの上手な活用の仕方についてお話します。

 

《参考》

「令和4年歯科疾患実態調査」の結果(概要)を公表します|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33814.html

厚生労働省 [PDF]う蝕罹患の現状

https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000358782.pdf

日本小児歯科学会|これからの小児歯科医療のあり方について

https://www.jspd.or.jp/recommendation/article01/
 

宗田 香織

1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。

2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・

インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。

2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。

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