一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクターの隅弘子です。
前回に引き続き、子どもの安全について、食卓で気をつけたいことを
お伝えいたします。
より安全な環境で食事を楽しみましょう 〜楽しく食べると共に確認したいこと【前編】
窒息予防できる調理法の実践 給食や家庭への発信の大切さ
食品よる窒息について、日本小児科学会 こどもの生活環境改善委員会の
ホームページにわかりやすい情報がまとめられています。(※)
子どものお口のサイズを考えるにあたり、実際の指導などで、トイレットペーパーの芯や
ペットボトルのキャップなど、身近な形を見せるとわかりやすいです。
このくらいの大きさだと窒息することがある、といったサイズ感を
調理する側、食べさせる側にもしっかり把握してもらいましょう。
特に、丸くてつるっとしたミニトマトなどは、「小さく切りましょう」
という文言ではなく、「1/4にカットし、トマトの直径の大きさを小さくさせる」
など具体的な方法を提示します。
集団生活で食べる環境においては、こうした情報が重要になります。
より安全性を重視する方針であれば、「ミニトマトやピックの使用は禁止とします」
という園もあるでしょう。
その理由を保護者にもしっかり伝えることにより、安全でみんなが楽しく
「いただききます」「ごちそうさま」が聞こる食環境を維持していきましょう。
※ https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=123
〜食品による窒息 子どもを守るためにできること〜
日本小児科学会 こどもの生活環境改善委員会
窒息は怖い・・・でも食べられるものを増やす練習も一緒に
ベビーフードでも窒息事例があるというのは認識する必要はあります。
けれど、あげてはいけないではなく、どうやってあげたらいいのかということを
考えていただくことが何よりも大切ですね。
幼児期になり、咀嚼の力を高めるためにも少し固いものにチャレンジさせていくことは
大切にはなりますが、それは命あってのチャレンジです。
園などで園児への見守り体制が整いづらい場合は、ご家庭で家族の方と一緒に
取り組めるよう、具体的なやり方や見守り方を園だよりなどで発信してみては
いかがでしょうか。
また、万が一の応急処置法などもあわせてお伝えするとよいですね。
子どもはどんどん成長発達していきますし、それに伴って起こる
ヒヤリハットもあるでしょう。
保育者、保護者、周りの大人たちが見守りながら、日々成長する中での
「食べられた!」という子どもたちの楽しい発見を支援できたらと思います。
隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士
【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。
都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。
子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。