日本こども成育協会シニアフェローの所真里子です。
子どもの安全の専門家として研究を進める傍ら
事故防止のための監修、コラム執筆を行っています。
入園を機に、
お子さんを自転車に乗せ始める方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自転車は手軽な乗り物ですが、
同乗していた子どもが亡くなる事故も少なからず起きています。
■抱っこ紐でお子さんと走行中に転倒したら・・・
2018年9月、母親が自転車で走行中に
バランスを崩して転倒し、
抱っこ紐で抱っこしていた1歳4か月の男児が転落し、
亡くなりました。
一般的な電動アシスト自転車の重さは約30㎏。
そこに子どもと大人の体重を加えると…、
総重量は80~100㎏になります。
バランスを崩すと立て直しにくく、転倒を招きます。
■子どもの自転車への同乗方法を知っていますか?

この図にあるように、
抱っこしての同乗は子どもの年齢を問わず
法令違反となります。
そして、子どもを2人同乗させる場合は、
その基準を満たした専用の自転車を利用する必要があります。
■ヘルメットは親子で着用
警察庁の調べによると、
2018年からの5年間に全国で発生した自転車乗用中の事故で
ヘルメットを着用していなかった人の致死率は、
着用していた人に比べ、
約2.1倍も高くなっていたことがわかりました。
現在、自転車に乗る人のヘルメット着用が
全年齢で「努力義務」となっていますが、
それは自転車に乗る人の安全を守るための施策です。
なお、1歳未満の子ども用自転車用ヘルメットは
現在市販されていないため、
安全を考えて、
お子さんとの自転車同乗は
1歳になるまで控えたほうがよいでしょう。
■取扱説明書は安全の手引書
自転車、ヘルメット、おんぶ紐など
使用する前に、取扱説明書を読んでいますか?
パッケージが取扱説明書になっている製品もありますので、
開封時に廃棄しないように気をつけましょう。
例えば、
おんぶ可能なタイプの抱っこひもでも
自転車乗車時の使用を禁止しているものもあります。
最近は、ネットで取扱説明書を
見られるものも増えていますので、
使用前に確認しましょう。
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日本こども成育協会では、子ども向けイベント、
ワークショップ、施設等の「安全の確認」に取り組んでいます。ご
相談等はこちらまでご連絡ください。
https://kodomoseiiku.jp/contact/
<執筆者プロフィール>
所真里子(ところ まりこ):子ども製品・保育の安全

【専門分野】
子どもの安全(製品安全、リスクマネジメント、事故予防)
日本子ども学会常任理事
製品安全対策優良企業表彰(経済産業省)審査委員
ISOガイド50(子どもの安全)JIS化委員
【略歴】
ベネッセコーポレーションに20年以上勤め、教材編集、子ども研究、知育玩具や通販
商品の事故事例分析や安全基準づくりに取り組む。在職中に日本女子大学大学院で子ど
もの事故予防を研究。
2013年保育の安全研究・教育センター設立に参加。2021年4月~2025年3月まで、消費
者庁政策調査員として、教育・保育施設、放課後児童クラブ、障害福祉施設、介護施設
等から提出される重大事故報告書(約2500件/年)の調査及び照会業務に従事。
現在は子どもの安全の専門家として、研修講師、保護者への安全講習、製品安全行政
の委員、企業へのアドバイス等を行っている。
<著書>
『イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室
~子どもの「危ない!」の見つけ方・伝え方~』(ぎょうせい)

