日本こども成育協会フェローの所真里子です。
子どもの安全の専門家として研究を進める傍ら
事故防止のための監修、コラム執筆を行っています。
少しずつ暖かい日が増えてきました。 窓を開けたり、
ベランダに出たりすると もうすぐ春だなぁと思います。
でも、窓を開け始める時期に
子どもの転落事故が増えることをご存知ですか?
■3月から増え始める事故

東京消防庁管内で、
令和2年から令和6年までの5年間に、
5歳以下の子ども63人が 住宅等の窓やベランダからの
墜落・転落により 医療機関に救急搬送されています。
63の事案を月別にみると、
3月から事故が起きはじめ、 5月が最も多いことがわかります。
出典:「こどもが住宅等の窓・ベランダから墜落する事故に注意!」(東京消防庁、2025年04月21日)
■窓からの転落は1歳、ベランダからの転落は3歳が多い

消費者安全調査委員会が、
子ども(6歳未満)の住宅の窓及びベランダからの
転落死亡事故を32年分(1993年~2024年)調べ、
134件の事故を調査しています。
それによると、 窓からの転落は1歳の事故が最も多く、
ベランダからの転落事故は
3歳の事故が最も多かったことがわかりました。
出典:「消費者事故等調査報告書 住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故」(消費者安全調査委員会、2025年6月24日)
■保護者在宅中にも起きる事故
また、事故が起きたときの保護者の在宅状況は、
在宅が134件中65件(49%)、
不在(家族の送迎、ごみ出しなど短時間の外出を含む。)が55件(41%)でした。
具体的な事故事例を見ると、
保護者が1階にいるときに子どもが2階から転落など、
子どもだけで遊んでいるときに多く発生しています。
■安全な環境整備をしてから窓を開けよう
子どもから目を離さず、見守り続けることには限界があります。
窓やベランダからの転落事故の傾向を知って、
事故が起きにくい環境を作りましょう。
例えば、
「補助錠の活用」
「ベランダにモノを置かない(置く場所の見直し)」
「窓の近くにモノを置かない」
などです。
「政府広報オンライン」など、
注意を呼びかける動画や資料がありますので、
どれか1つでよいので 小さなお子さんのいる方はぜひご覧ください。
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日本こども成育協会では、子ども向けイベント、ワークショップ、施設等の「安全の確認」に取り組んでいます。ご 相談等はこちらまでご連絡ください。 https://kodomoseiiku.jp/contact/
<執筆者プロフィール>
所真里子(ところ まりこ):子ども製品・保育の安全
【専門分野】
子どもの安全(製品安全、リスクマネジメント、事故予防)
日本子ども学会常任理事
製品安全対策優良企業表彰(経済産業省)審査委員
ISOガイド50(子どもの安全)JIS化委員
【略歴】 ベネッセコーポレーションに20年以上勤め、
教材編集、子ども研究、知育玩具や通販 商品の事故事例分析や
安全基準づくりに取り組む。
在職中に日本女子大学大学院で子ど もの事故予防を研究。
2013年保育の安全研究・教育センター設立に参加。
2021年4月~2025年3月まで、消費 者庁政策調査員として、
教育・保育施設、放課後児童クラブ、障害福祉施設、
介護施設 等から提出される重大事故報告書(約2500件/年)の
調査及び照会業務に従事。
現在は子どもの安全の専門家として、
研修講師、保護者への安全講習、製品安全行政 の委員、
企業へのアドバイス等を行っている。
<著書>
『イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室
~子どもの「危ない!」の見つけ方・伝え方~』(ぎょうせい)

