12月25日スタート!
3歳未満向けの玩具に安全のしるし「子供PSCマーク」が表示されます!
日本こども成育協会フェローの所真里子です。
子どもの安全の専門家として研究を進める傍ら事故防止のための監修、コラム執筆を行っています。
先月の記事で、
ゲームの景品や参加賞等をお子さんにご用意するときの注意点についてご紹介しました。
※前回記事はこの記事の最下部にリンクがあります
今月は、
12月25日より始まる「子供PSCマーク」について紹介します。
消費生活用製品安全法という法律を改正して作られたマーク。
法律がバックにある制度です。
■子供PSCマークとは
PSCマークとは消費生活用製品安全法に基づいて、
経済産業省が認定した安全基準を満たした製品(特定製品)に付けられるマークです。
*PSCは「Product Safety of Consumer Products」(消費生活用製品の安全)の略です。
例えば、ライター、家庭用の圧力なべ、石油ストーブ等に付けられています。
家庭で使われる製品のなかでも事故が起きた場合に
火災等、命にかかわるような事故になりやすいものが特定製品に指定されています。
今回、子どもの命を脅かすような事故の発生を防止するための取組みとして、
法律を改正して、「子供用特定製品」という枠組みが創設されました。
この「子供用特定製品」に付けられるマークが
「子供PSCマーク」です。

■3歳未満向け玩具 と 乳幼児用ベッド からスタート
新しく作られた「子供用特定製品」にまず指定されたのは
玩具(3歳未満向け)と乳幼児用ベッドの2つです。
玩具について
令和7年12月25日以降に製造・輸入される玩具(3歳未満向け)には
子供PSCマークを表示しないと
法令違反となります。
12月15日より前に製造・輸入された玩具は対象外ですので
しばらくマークのあるものとないものが混在することになります。
■なぜ3歳未満向け玩具が対象なのか?
何でも口に入れやすい2歳頃までは小さな部品や球形のものを
喉に詰まらせて命を落とすような重大事故が多く起きています。
これまでも
3歳未満を対象にしたおもちゃ・玩具の安全基準は厳しく設定されてきましたが、
法律で規制することで、より安全を担保できる環境を作ることができます。
「子供PSCマーク」は子どもの安全のために法改正して作ったマークです。
マーク付きの製品を積極的に選ぶ、
マーク付きの製品を選択して使用しているかどうかを周囲にも確認する、
こうした意識と行動が事故やけがを防ぐ意識につながります。
12月25日以降、パッケージや製品情報を見るときに注目してみてください。

参考:経済産業省作成の広報資料
https://www.meti.go.jp/product_safety/kodomo/pdf/kodomopsc_customer.pdf
前回記事:安易に選んでいませんか?お子さんへの景品・おまけ・ご褒美プレゼント
https://kodomoseiiku.jp/blog/251107-2/
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日本こども成育協会では、子ども向けイベント、
ワークショップ、施設等の「安全の確認」に取り組んでいます。
ご相談等はこちらまでご連絡ください。
https://kodomoseiiku.jp/contact/
<執筆者プロフィール>
所真里子(ところ まりこ):子ども製品・保育の安全

【専門分野】
子どもの安全(製品安全、リスクマネジメント、事故予防)
日本子ども学会常任理事
製品安全対策優良企業表彰(経済産業省)審査委員
ISOガイド50(子どもの安全)JIS化委員
【略歴】
ベネッセコーポレーションに20年以上勤め、教材編集、子ども研究、知育玩具や通販
商品の事故事例分析や安全基準づくりに取り組む。在職中に日本女子大学大学院で子ど
もの事故予防を研究。
2013年保育の安全研究・教育センター設立に参加。2021年4月~2025年3月まで、消費
者庁政策調査員として、教育・保育施設、放課後児童クラブ、障害福祉施設、介護施設
等から提出される重大事故報告書(約2500件/年)の調査及び照会業務に従事。
現在は子どもの安全の専門家として、研修講師、保護者への安全講習、製品安全行政
の委員、企業へのアドバイス等を行っている。
<著書>
『イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室
~子どもの「危ない!」の見つけ方・伝え方~』(ぎょうせい

