“食べるって楽しい”を引き出すヒント

今日はハロウィーンですね!

街にはオレンジと黒、やオバケの装飾に溢れ、子どもたちもいろいろな衣装を楽しんでいます。
食卓にはカボチャのメニューが登場して、これを機会にカボチャが好きになる子どももいることでしょう。

こうした季節イベントは「食育」の機会になります。
けれど、毎日の食事こそが本当の「食育」の舞台であることをお伝えしたいと思います。

理事の大塚千夏子です。

先日、オイシックス・ラ・大地株式会社様に声がけいただき、
コドモンカレッジのオンライン配信セミナーの収録をご一緒しました。

オイシックス・ラ・大地の保育給食事業を推進する清水崇司氏より
園からの食のお悩みに答える内容にしたいというリクエストがあり、
私たちの食専科ディレクターであり、管理栄養士の隅弘子先生にお話しいただきました。

その内容をこちらで少し紹介します。

■園でも家庭でもよくある相談

「好き嫌いが多くて困る」

「つい時間を気にして急いで食べさせてしまう」

「保育園では食べるのに、家では一口も進まない」

「どうしたら、食べてくれるのだろう」——。

園でも家庭でも、子どもの食にまつわる悩みは尽きません。
大人は子どもの成長を願い、その一心で工夫を重ねています。

けれどときに、その「食べてほしい」という気持ちが、子どもが本来もっているはずの “食べるって楽しい” という気持ちの芽を、知らず知らずのうちに小さくしてしまうことがあるのです。

 

■「嫌い!」「食べない」は順調な発達の証?

たとえば、ピーマンや葉物野菜を頑なに拒否する子がいます。
苦味や酸味は、人が本能的に避けやすい味。安全のために備わっている反応です。
「嫌い」には必ず理由があり、それは 順調な発達・成長の証 でもあります。
その視点を大人が持つと、叱責よりも観察や理解が増えていきます。

また「保育園では食べるのに、家では全然ダメ」というご相談にどう答えたら?という園スタッフの方のお悩みもよく聞きます。

食材・献立だけに注目していると見落としがちな視点があります。

ご家庭と園とで何が違うのだろう?を保護者と一緒に考えることの大切さと、探り方のヒントを配信ではお話ししています。

 

■「何を食べたか」より「どんな体験になるか」

隅先生が強調してお話ししたのは「楽しい体験」としての食です。

強制された一口は、たとえ栄養がとれても「イヤな記憶」を刻みます。
反対に「今日はにおいだけだね」「触ってみる?」「一緒に運んでくれてうれしいな」といった、食材とのポジティブな出会いが積み重なると、食べる勇気が湧いてきます。

「食べなくても いい関わり」ができるかどうか。

そこが園の腕の見せ所ですね。

 

■五感で味わう「食べるって楽しい!」

オイシックス・ラ・大地の清水さんからは、五感をひらく演出の大切さをお話しいただきました。
隅先生からは、

味わうだけでなく「目で見る」「触る」「においをかぐ」「音を聞く」など、五感すべてを使って楽しむ例が出され、今すぐやってみたくなるようなお話でした。

「食べるって楽しい」

そのシンプルな気持ちを守ることこそ、幼児期の食育の本質です。
イベント的な「食育」だけでなく、毎日の小さな工夫の積み重ねが、子どもの食の未来を大きく変えます。

大人が少し見方を変えるだけで、子どもの食卓には新しい光が差します。
その変化を支えるヒントが、今回の配信にはたくさん詰まっていますので、ぜひご覧になってみてください。

■配信情報

配信開始:11月11日(火)13時~14時
配信先:コドモンカレッジ
出演:清水(オイシックス・ラ・大地) × 隅 弘子(管理栄養士/日本こども成育協会 食専科ディレクター)

詳しい視聴方法は、コドモンカレッジのページをご確認ください。
https://college.codmon.com/seminar/20251111-2/

登壇者プロフィール(写真左)

健康食育・小児栄養:隅弘子 HIROKO SUMI

【専門分野】
管理栄養士/母子栄養指導士一般社団法人日本健康食育協会 健康食育シニアマスター一般社団法人母子栄養協会妊産婦食・幼児食・学童食アドバイザー認定講師保育士等キャリアアップ研修講師「食育・アレルギー対応」保育士・栄養士養成校非常勤講師 教科担当:「子どもの食と栄養」「食育実践」「食育調理」一般社団法人日本こども成育協会 食専科ディレクター

【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。

都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。

子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。

【開催講座及び連載記事紹介】
ミキハウス×ベビーカレンダープレママ・プレパパセミナー
『3色食品群を味方にする』講座(東京都中央区、大和市)
「絵本の中の食べ物を作ろう!絵本再現講座」(大和市)
児童福祉施設スタッフ向け講演会(仙台市、草加市など)
子育て支援者養成講座担当(川崎市多摩区、中原区)
「子どもの栄養」(児童育成協会)への連載執筆 など