日本こども成育協会の活動のコアとなっているのが発達心理学です。
製品開発やサービス開発の監修、こども成育講座にのぞまれる方々には
必ず「こどもの心理発達」(講師沢井佳子)をオンデマンドで学んでいただいています。
今回のブログでは
沢井先生が2019年の親子イベントで
0歳児保護者に向けてお話しした内容を抜粋してお届けします。

■同じ遊びでも意味が変わる ― 月齢ごとの反応の違い
発達は、生まれながらに備わった設計図が少しずつ姿を現す、
「巻物」を広げていくようなプロセスだと沢井先生は説きます。
階段を一段ずつ登るように順序立って進み、飛び級はできないのが特徴です。
0歳児赤ちゃんに大人がやって見せる「いないいないばあ」も
その反応の違いは
月齢によってまったく異なります。
●0歳児にいないいないばあ!をすると・・・
3か月頃 :消えた顔が再び現れること自体に驚き、反応する
6〜7か月頃:消えた顔が「期待どおり」に現れることに喜びを示す
この時期は、感覚と運動で世界を確かめる「感覚運動期」にあたりますが、
理解の仕方や楽しみ方が発達とともに変化していくのです。
■行動の背景を知ると、見え方が変わる
発達心理学を通して子どもの行動を見ると、その一つひとつが
次の発達へのステップだと気づきます。
たとえば、箱からティッシュを全部引き出す行動も、
大人には「困った!」に見えますが、
本人にとっては手の動きや力加減を試し、
世界を理解する大切な練習です。
背景を知れば、いたずらのような行動も
こどもにとって貴重な「学びの時間」に見えてくる
それが、発達を温かく見守る姿勢につながります。
こどもを育むすべての「大人」が
子どもの発達を理解すれば
こどもを見守る観察眼の解像度が格段にアップします。
それは、
日々子育てに追われる親へ寄り添い、助けになり
大変な「今」から「明るい未来」への見通しを与えることになります。
それが、私たちが掲げる
「こども育むすべての人に、愛と論理を。」
が目指す成育環境です。
沢井佳子先生が3分で語る「なぜ発達心理学を学ぶのか」YouTube動画はこちら。