日本こども成育協会 理事の大塚千夏子です。
現在、協会のコンテンツ制作や発信活動の精度をさらに増していくために
子どもの最寄りにいる「保護者」へのインタビューを行っています。
今回は、育児休業を取得したパパにおこなったインタビューからの学びをお伝えします。
キーワードは、「育児休業取得期間」と「タスク設定」
仕事の進捗や自分のポストを考えて、職場に負担をかけないように
取得期間を「1ヵ月」と申請したら・・・
同僚や上司から
「1ヵ月で何ができるのか?」
「母体のメンタルが一番大変なのは2ヶ月目からだから最低でも3カ月は必要!」
「大丈夫、いない間はまかせておけ!」
と、期間を長くすることへの後押しがあった、というケースは珍しくないようです。
そうした後押しがうれしい反面、仕事人としては
「自分がいなくても回るのか…」
という、ちょっと寂しさとも不安ともつかない複雑な感覚を持った
というコメントもありました。
ただ、実際に、育児にフルコミットしてみると、
「1ヵ月じゃ何もわからない!」「何もできるようにならない」
と、実感して延長を申請したという方もいました。
3カ月の育児休業を取得したDさんのエピソードでは・・・
Dさんは、昼夜関わらず赤ちゃんの命を支えている妻の姿を見て
「毎日のリズムをつくる役割を担う」と決めて、3食の食事作りに挑んだそうです。
それまで料理をしたことが無かったDさん。
3カ月間の育児休業のメリット最大化として、料理スキル獲得をタスクに定めました。
それは、今のためだけでなく、お互いに職場復帰した時に、
自分もわが家の食を担うのだ!という
長期的な視点を持って、チャレンジしたとのこと。
包丁使いの動画を見たり、レシピ本で作り方を調べたりしながら
慣れない料理を作るのには大変苦労をしたそうで、
産前の妻が、仕事と家事を回しながら、美味しいものを食卓に並べていた
その能力の高さに改めて驚いた、とも語ってくださいました。
“「3食つくる」ことで、妻の体力を支え、それが
わが子の健康を支えている!という実感を持つことができた。”
そして、毎日3食=3カ月90回の食事作りトレーニングを経て、
すっかり「料理好き」になり、今では毎日の朝ごはんと、当番制の晩ごはんづくりで
そのスキルを活かしているそうです。

他の方も、家庭における自分の「タスク発見」エピソードをお話してくださいました。
授乳や沐浴・おむつ替えの他、
外気浴(子どもを連れだして妻を休ませる)
役所の手続き
保育園見学手配
納税(育児休業中は自分で払い込む)
保険の見直し
住まいの見直し などなど。
そして、育休取得を検討している後輩には、3カ月以上とれるなら取った方がいい!と
進言していると、異口同音にお話ししてくださいました。
昨年7月発表の2023年度・男性の育児休業取得率が30%を超えました。
パパの育児参加意識は次のフェーズへと移りつつあることが伺えます。
これからは取得率と併せて取得期間にも注目して、質の高まりをチェックしていきたいと思います。
私たちの調査インタビューに回答いただける方を募集中です。
・育児休業取得経験のあるパパ
・子どもが保育園に通園しているママ
・歯科クリニックの経営者(歯科医師)
ご興味がありましたらこちらまで、インタビュー対応可(紹介可)と記載して
ご連絡ください。