こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
前回に引き続き、激変期にある子どもの口について深く掘り下げてお伝えしたいと思います。
前回の記事はこちら▼
お口徹底解説〈Part7-1〉 口腔の基礎知識:見た目は同じでも、子どもと大人の【口】には大きな違いがある!
高さができることで起こる子どもの口腔の機能の変化
口腔内に高さが生まれることで変化のひとつ目は、
「口の中に物を停滞させられるようになること」です。
生後間もない赤ちゃんにとって、首に巻くスタイや口周りをサッと拭ける
タオルやガーゼは必需品かと思います。
でも思い返したら、いつの間にかスタイをしなくても口周りや洋服が
べちょべちょに汚れるということが少なくなっていたのではないでしょうか?
これはまさに、口腔領域の成長発達により口腔内に高さができ、
唾液を貯めるスペースができたためです。
そして、口の中で舌を動かすスペースかできることなども相まって
離乳食が始められるようになるのです。
変化のふたつ目は、「舌の動きが大きくなること」です。
口腔内に高さができたことにより舌を大きく動かすスペースができると
口の巧緻性(こうちせい:器用さ)が発達していく、ということです。
舌の動きが大きくなると共に、口を閉じておく、または大きく開けるなど
口腔周囲筋の動きも活発になります。
そして協力して動かす(協調動作)ことで、噛んで飲み込む(咀嚼嚥下)機能も上がり
食の段階がステップアップしていきます。
これにより、離乳食の食材や形・固さなど徐々に食べられる幅が広がっていきます。
離乳食は初めての食材に慣れる時期でもある
離乳食は初めての食材を食べられる喜びと共に
『これ、なんだろう?!』『さっきのと違う??』『食べて大丈夫な物??』と
食材を吐き出すこともありますね。
離乳食を食べてくれないとママやパパはがっかりしてしまいますが
子どもにとっては初めて食べる食材や味に慣れていないもの。
また大前提として、初めましての食材は食べ物であるという認識もないので
味だけではなく、食感や温度を感知して「異物」と感じ吐き出すこともあります。
人間の本能として命を守るための行動ですが、大人にとっては好き嫌いとして映ってしまうため
子育てのお悩みになってしまうことも少なくありません。
しかし、これはお子さんがまさに成長発達しているという表れなので
「離乳食は食材にも慣れる練習期間」と捉え、焦らずに心配しすぎないことが肝心です。
何度か食べる経験を重ねるだけでなく、ママやパパが美味しそうに食べている様子を見るなどによって
『これは食べても大丈夫な物なんだ』『ママやパパと同じ物が食べてみたい』『美味しそう』
とお子さんが安心するタイミングを少し待ってみましょう。
また、お喋りや表情の幅も広がるなどの嬉しい変化もあります。
日々のお子さんの変化を楽しめるとよいですね。
私たちが普段当たり前に行っている「食べる」「話す」「喜怒哀楽の表情」などは
こうして多くの段階を経て変化してきました。
これらは生後間もなく急速に起こる成長・発達の土台があってこそです。
お子さんが成長・発達の一つひとつのステップを踏めるよう
サポートするコツを知っておくとママやパパの安心感にも繋がるでしょう。
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宗田 香織
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。