こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
今回のブログでは『飲む』動作についてお話していこうと思います。
私は日本こども成育協会アンバサダーとして、親子支援やイベントなどで
歯科以外の職種の方と連携させていただく機会も多くあります。
その際に、管理栄養士さんや保育士さん、現在子育て中の方などから
『マグトレ』についてご質問いただくことがとても多いのです。
授乳や離乳食の進め方は母親学級やセミナーなどがあるものの
母乳やミルク(人工乳)以外の水分摂取について教えてもらえる機会はありません。
実際にどうしたら良いのか悩んでしまうのも頷けます。
『マグトレ』は、子育て中のママやパパには馴染みのある言葉かと思いますが
私自身、こども成育インストラクターとして乳幼児に関わる仕事をするまでは
あまり耳慣れない言葉でした。
保育園などでは、「入園前にコップ飲みができるようにご家庭で練習しておいてください」
といったアナウンスもあるようです。
また、哺乳瓶やストロー飲みから卒業してコップで飲める練習をすることについて
「歯医者さんで相談した」という親御さんもいらっしゃるとのこと。
「飲む=水分を口に取り込み食道へ送り込む」という動作ですが
この行動をシーン別に表現してみると
◎赤ちゃんがおっぱいや哺乳瓶の乳首を「吸う」
◎ストローで水分を「吸う」
◎コップから水分を「飲む」
と区別することができます。
同じように『飲む』動作なのですが、これらはすべて異なる動きをしています。

さらに、生まれてすぐの赤ちゃんがしている『飲む』と、乳幼児や大人がしている
『飲む』という動作も違う動きをしているのです。
【赤ちゃんがしている飲む動作(乳児嚥下)】
生後すぐの赤ちゃんは、目の前のおっぱいや哺乳瓶の吸口を口に加え(哺乳反射)
反射的に吸い取る(吸啜〈きゅうてつ〉反射)ことで母乳やミルクを摂取します。
この反射は生後約9ヶ月頃までに減退していくと同時に、自分の意思で唇や舌を
動かせるようになり、すすり飲みができるようになります。
【乳幼児~成人がしている飲む動作(成人嚥下)】
下唇をスプーンやコップに当て、上唇を閉じて飲み込むタイミング・量・速度などを
調整したり、温度や粘性を感知したりしながら口腔内に水分を取り込みます。
そして、舌を上あご(上顎)にピッタリくっつけて、液体を喉へ移動させることで
水分を飲み込んでいます。
また、『おっぱいや哺乳瓶の乳首を吸う』 のと『ストローで液体を吸う』は
同じ『吸う』動作のように見えますが、実は全く異なる動きをしているのです。
ストロー飲みはどんな動きをしているかというと
ストローを加え上下口唇をすぼめる
↓
強く吸引して液体をストロー上部まで運ぶ
↓
吸引した液体を喉へ流し込む
といった動きに分解することができるのです。
このように同じ『飲む』という動作でも違いがあることがお分かりいただけたでしょうか。
そこで次回は、口腔の発達の観点から、『マグトレ』などについてお話していきたいと思います。
〈参考〉
公益社団法人日本小児歯科学会
こどもたちの口と歯の質問箱
https://www.jspd.or.jp/question/2years_old/
日本歯科医学会
小児の口腔機能発達評価マニュアル
https://www.jads.jp/assets/pdf/activity/past/hyoukamanyuaru.pdf
厚生労働省
授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html
宗田 香織
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。