野菜の栽培からはじめる食育活動のたねまき

こんにちは。「こども成育講座〈食専科〉」ディレクターの隅弘子です。

関東はすでに梅雨入りしたそうですね。

雨が降ると大人はつい「あー、雨か〜」「やだな〜」と言ってしまいがち。

 

なんということはないつぶやきでも、子どもたちは

「雨はよくない日なんだ」と感じてしまうかもしれません。

 

雨が降ることについても、その意味や感謝につながるコミュニケーションが

とれるように意識したいものです。

 

今回、私は保育の専門学校の生徒たちと実際に野菜栽培を行う試みを始めました。

使用しているのは、「ベジキッズ『考える力』プログラム

五感でいのちの不思議をまなぶ野菜栽培キット」です。

※キットの詳細はこちらを参照ください。(今年度は受付終了)

五感でいのちの不思議をまなぶ野菜栽培キット|ベジ・キッズ『考える力』プログラム|カゴメ株式会社 (kagome.co.jp)

ベジキッズ『考える力』プログラム 五感でいのちの不思議をまなぶ 野菜栽培キット (patata-shop.jp)

 

作物はトマトとパプリカで、夏の野菜たちです。

 

生徒たちが卒業する前の「学びのまとめ」として苗から定植し、

今は少しずつ花がついてきたところです。

 

ただ、栽培するだけではなく、栽培を通して子どもたちに

どんな「食育」の機会が作れるかをテーマに、夏に向けて取り組み始めました。

 

今後しばらくはこちらのブログでもその様子などが報告できたらと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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左)ペットボトルを活用したマイじょうろ。

生徒には宿題としましたが、園児に実際につくってもらったり、

顔写真などをはって「自分のもの」として愛着をもたせることも楽しそうですね。

 

中)さてこれは何のお花でしょう?

複数栽培をする際には写真をとっておいてクイズにしたり、掲示物などにしておけば

「食を話題にするこども」のテーマに寄り添った食育活動にもなります。

お迎え時の親子の会話のひとつにしてもらうのもいいですね。

なんとも可愛らしいお花です。

 

右)おやおや、先っちょのかたちはどこかで見た形!

みんなが食べるたべものにこの形ついていないかな?

観察してみるとなんだかおひげさんがいっぱいついているんだね。

どんな触り心地かな?なんだかお腹の中にいる赤ちゃんのような小ささだな〜

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子ども達が、植物や生き物が育つ様子を観察、体験することは、

幼稚園教育要領や保育所保育指針でも、主体的に取り入れていくべきと

述べられています。

 

この取り組みに「食育」の視点を加えることで、

「楽しくたべる子ども」へとつながっていきます。

 

保育所保育指針 第3章 健康及び安全 2.食育の推進から栽培活動で得られること

として次のような項目が該当します(※1)。

 

(1) 保育所の特性を活かした食育
イ.子どもが生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、

食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること。

 

(2) 食育の環境の整備等 
ア. 子どもが、自らの感覚や体験を通して、自然の恵みとしての食材や食の循環・環境への意識、

調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員等との関わりや調理室など

食に関する保育環境の配慮すること 

 

 

“環境”というと、保育士の資格を取得する際に「環境」という科目がありますね。

 

こどもたちにとって植物との出会いは、

① 季節を通じて植物が身近にありそれらに触れる機会を得る

② 花や野菜、果実の実る樹木といった植物を育てる機会を得る(育つことを間近で見る)

③ 植物(自分たちで育てたものを含む)を使って様々な工夫を凝らした遊びに出会う機会を得る

④ 植物(自分たちで育てたものを含む)を食したり、生活財に生かしたりする機会を得る

という環境が豊かに保障されることを意味すると、新版保育内容「環境」(※2)にありました。

 

♪お寺の和尚さんがかぼちゃの種をまきました〜ではじまる

「手遊びうた」があります。

 

「芽が出て ふくらんで 花が咲いて ・・・」と続く、子どもの頃に

誰もが歌ったことがあるのではないでしょうか。

 

実際に芽が出るとはどんなことなのか

どのように、またどのくらいの時間をかけてふくらんでいくのか

花が咲くとは何色? どんな大きさ? どんな形?

 

など、子どもたちが実際に体験することで多くの学びをもたらします。

 

また、このような環境から様々な関心や学びの機会、楽しみを感じる機会に

つながることでしょう。

 

 

引用記事
※1
保育所保育指針 第3章 健康及び安全 2.食育の推進
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000160000.pdf

※2
新版保育内容「環境」無藤隆・中坪史典・後藤範子 編著 大学図書出版
p26(1)植物との出会いを楽しむ より

 

 

隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士

【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。

都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。

子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。

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