こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
本年もどうぞよろしくお願いします!
新年1回目のブログでは、昨年に引き続き「ぶくぶくうがい」に着目していきます。
前回のブログはこちら:あなたはどんな “うがい” していますか?
実は、ぶくぶくうがいには食べかすや菌を洗い流すこと以外にも
体や心に良いこと(効果)がたくさんあり、8つのポイントにまとめてみました。
今回はまず4つのポイントをご紹介します。
1.口の中の洗浄
食べかすや食べ物の成分を取り除き、口腔内で増えた
常在菌(いつも口の中にいる菌)や、外から入ってきた菌・ウィルスを除去。
むし歯や歯周病などの予防とともに、感染症をはじめとするいろいろな病気の
予防に繋がります。
食べ物以外のものが口に入ってしまった際にも、ぶくぶくうがいをすることで
異物を流し出すことができ、安全面でも大きな役割を果たしてくれます。
2.咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)=食べる力をアップ
口のまわりには、細かいパズルのようにたくさんの筋肉が集っています。
私たちは、これらの筋肉の連動運動によって様々な日常の活動を営んでいます。
咀嚼(食べ物を噛んだりすり潰すこと)・嚥下(食べ物のかたまりを飲み込むこと)も
同様に口のまわりの筋肉を巧みに動かして行っています。
ぶくぶくうがいで、口のまわりの筋肉をバランス良く十分に動かすことは、
咀嚼力・嚥下力の発達促進や機能の向上に繋がります。
咀嚼する回数が少ない人は、効果的なぶくぶくうがいをするだけで
筋肉痛のような重だるい感じがすることがあります。
少しずつ噛む回数を増やし、無理のないペースでぶくぶくうがいをエクササイズとして
取り入れていただくと良いでしょう。
咀嚼の回数が増えると、消化吸収で胃腸にかかる負担も軽減され、
おいしさを口の中でしっかり感じることができます。
一定の規則正しいリズムで咀嚼をすると、脳の活性化も促されて
こどもの脳の成長発達・大人の記憶力維持向上にも繋がります。
しっかり噛むことが自然と習慣になるように、ぶくぶくうがいで口のまわりの
筋肉を鍛えたり、ほぐしたりしておくと良いですね。
3.唾液分泌の促進
ぶくぶくうがいで、口の周りの筋肉を動かすと、その近くにある唾液腺を刺激して
唾液の分泌が促されます。
ぶくぶくうがいをスイッチとして、普段からたくさん唾液が出るようにして
おくことで唾液の効果によるむし歯や歯周病の予防にも一役かってくれます。
お腹が空いたとき、おいしそうな食べ物の匂いをかいだだけで唾液がジュワっと
口の中に溢れてくる、というくらいしっかり唾液分泌されている状態が理想。
口の中に食べ物が入ってくると、いつもより美味しさも感じ取ることができますよ。
4.鼻呼吸を意識する
ぶくぶくうがいは口を閉じて行うため、呼吸は鼻で行うことになります。
この鼻呼吸は、いろいろな感染症の予防につながります。
逆に、気がつくと“お口ポカーン”と開いていると口呼吸になりやすく、
むし歯や歯周病や他の病気のリスクも高くなってしまいます。
ぶくぶくうがいをする時、唇をしっかり閉じることで水を口のなかにとどめて
力強い水流を起こすことができます。
一定の時間ぶくぶくうがいを続けるので、その間も呼吸することは必要です。
鼻呼吸ができているか、普段の生活の中で確認しましょう。
次回へつづく。
宗田 香織
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。