こんにちは。「こども成育インストラクター〈食専科〉」講座ディレクターの
隅弘子です。
クリスマスやお正月と家族や親戚の方、お友達など
いつもよりたくさんの人が食べ物を囲み、楽しめる季節がやってきます。
年末年始の時期にヒヤリハット事故を防ぐために、
「食品による窒息事故防止」についてご紹介いたします。
これは、こどもを見守る全ての大人に伝えていただきたいことです。
-窒息は「舐めることが学習」の乳児期、「一人で食べること」が出来る幼児期も対象です
保育園の現場では保育士さんは誤嚥・窒息を防ぐために、
子どもの行動を常に見守っていることでしょう。
特に乳児は自分で確かめるために、お口に入れてどんなものなのかを学習するもの。
ものの存在を確かめる手段が、「舐める」「お口に入れる」という行動なので
いつ飲み込んでしまうかハラハラするものですね。
また、一人で食べられるようになった幼児期でも
マナーとして座ってゆっくり食べることは、まだ学習している時期です。
食べている時に、ほかの興味・関心事に気を取られることで
誤嚥・窒息のリスクは起こり得ます。
最近では、小学校の給食でも窒息による死亡事例が起きています。
食事という場でも、「まさか」が起きてしまうのです。
-え、こんなものが?子どものお口のサイズを把握していますか?
乳幼児の口腔のサイズの目安として、母子健康手帳内にも
「誤嚥防止ルーラー」が綴じられています。
乳幼児のお口の直径は、およそトイレットペーパーの芯のサイズと
認識するとよいでしょう。
ボタン電池や小さなおもちゃなど食品以外でも、誤嚥・窒息事故はとても多いです。
子どもの手の届かない高さや位置に置くなど、配慮が必要となるでしょう。
自宅では気をつけていたとしても、お客様がいらしたことにより
配置が変わることもありますね。
外出先では、興味が高まってつい手を伸ばした先に
ヒヤリハットが起きる可能性があります。
-たくさんの人がいるからこそ、みんなが見守る気持ちで楽しみましょう
公益社団法人日本小児科学会〜食品による窒息 子どもを守るためにできること〜に
とてもわかりやすい情報がありましたので、ご紹介します。
「丸くつるっとしているもの」
「粘着性が高く、唾液を吸収して飲み込みづらいもの」
「固くて噛み切りにくいもの」
という項目で、窒息に繋がりやすい食品とともに予防法が紹介されています。
「小さく切る」という予防法の具体例では、
食べものの直径サイズを小さくすることが具体的な方法です。
例えば、丸くてつるっとしているプチトマトは、半分に切ったとしても
直径は変わりません。
「小さく」とは、乳幼児の口腔内では詰まらないサイズのことです。
「小さく切る」という意味を正しく伝えていくことも大切ではないでしょうか?
-見守ること。声がけする。それが楽しい食を囲んだ「共食」に
前述の食品による窒息のサイトでも発信されていますが、
窒息がおきる子ども側の要因は大きく分けて2つあります。
それは、「食べる(噛む、飲み込む)力」と「食事の時の行動」です。
食べる力については、食卓に出す前の工夫で対処ができます。
また、食事時の行動については、見守る力とコミュニケーションで防止できます。
たくさんの人がいるということは、たくさんのコミュニケーションを
図りやすいということ。
いつもはママやパパが伝えていることでも、おじいちゃんおばあちゃんなど
一緒に食べている人が、見守り、伝えることもできますね。
「小さく切ってあげようね」
「お口の中でよく噛んでみると美味しいね」
「喉に詰まってしまうから座って食べようね」
「お口の中に入っているときは、おしゃべりはお休みよ」
など、安全に食事をする声がけを食卓で、見守る大人たちが積極的に
発信していきましょう。
こうした防止策を講じることで、年始後の園生活では「楽しい思い出」を
たくさん聞かせてもらえるような支援をぜひお願いします。
引用及び参考リンク先:
公益社団法人日本小児科学会〜食品による窒息 子どもを守るためにできること〜
誤嚥防止ルーラーについて(一般社団法人日本家族計画協会 母子保健_子どもの事故予防)
https://www.jfpa.or.jp/mother_child/prevent/002.html
隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士
【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。
都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。
子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。