こんにちは。「こども成育インストラクター〈食専科〉」講座ディレクターの
隅弘子です。
子どもたちにとって収穫体験など行事がたくさん楽しめる秋。
たべものが遊びのテーマになることがたくさんある実りの秋ですね。
おいしいものをたくさん食べて元気いっぱいに成長して欲しいものですね。
そこでおうちでできる食育として今後、ブログでもご紹介していきたいと思います。
【食育はどこで学ぶもの?】
保育所では、様々な食の意識を高める食育の時間が作られ、日々保育士の方のほか、
多くのスタッフが「食べる楽しさ」を伝える機会を作ってくださっています。
しかしながら、コロナ禍において通常保育の一環で行われてきた
給食指導やクッキング保育などは自粛、もしくは工夫を凝らしながら
取り組んでいる最中ではないかと思います。
今までは保育の現場で、お友だちや先生と一緒に食べることで
「よく噛んで食べる」
「好き嫌いの克服」
など、食の発達を促す機会が多々ありました。
けれど現在は、こうした発達に肝心となるお口の様子を
お互いに「見合いっこ」するのが難しいこともあります。
当たり前に行っていた機会はどこで補えばいいでしょう?
それはやはり、食べる場のメインとなるご家庭で補うことを
保育する側、そして預けている保護者側双方が認識すること。
そして、子どもの成長と発達にあった取り組みの機会を
損なわないことが大切です。
【伝える仕方に工夫を】
「ご家族みんなで食べましょう」だけでは、忙しい家庭での時間に
負担がかかるだけかもしれません。
「もぐもぐすることを練習しましょう」だと
「もぐもぐしてよ」「早く噛んでね」と口頭注意のようになりかねません。
そこで少し食べることをゲームのように考えてみるアイデアはどうでしょうか?
【どんなお味かな?食べる場は知育(言葉の力を増やす)機会にも】
お口で食べ物をじっくり味わうことが、自然と
よく噛んで食べる習慣につながることもあります。
ただ噛めばいいというだけでは面白くありません。
「どんな味がするか?」という問いかけとともに、保護者も子どもも一緒に
ひと口、口に入れてみましょう。
ごっくんしてしまっては、味の感想は広がりにくいですね。
お口の中でどんな味か想像し、コミュニケーションを交わしながら行うことで
自然と咀嚼する習慣に近づけることができます。
【「ヤバい」は美味しいの?どんな味なの?】
大人の食も「美味しい!」と言い合えるのは楽しい食事の表現ですが、
近年では「ヤバい」という表現が即時に出る言葉として台頭してきましたね。
さて「ヤバい」というのはどういう意味で発しているのでしょうか?
発した人と聞いた人では、より具体的な認識にズレがありそうです。
単に楽しい雰囲気だけが先行してしまっているようにも思います。
【世界でも類を見ないおいしさの表現力を持つ日本語を見直そう】
グルメ番組や情報が日々あふれている現在、より美味しそうに感じるには
表現力を身につけることが大切です。
実は、日本語というのは食感などおいしさを表す言葉の数が世界一。
なんと445語もあるそうです。
美食の国と言われるフランスでも226語、四千年の味と言われる中国でも
日本語は約3倍もの言葉を有しているそうです。
なお、食感を言葉の約70%が擬音・擬態語と言われています。
辞書を開いて学ぶよりも、むしろお子さんならではの自由な言葉で
味の表現をすることでより楽しい食卓が広がるのではないでしょうか?
「雲のようなお味だね」と言われたら、保護者の方はどんな気持ちになるでしょう?
私だったら「この子はとっても楽しそうに食事を捉えて日々成長しているのね」と
嬉しくなってしまいます。
そんな機会も立派な食育。
ぜひそれぞれのご家庭で楽しい食卓の輪が広がる発信を
していただけたらと思います。
引用先:
テクスチャー(食感)を表す多彩な日本語
独立行政法人農業。食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 早川文代
https://www.mame.or.jp/Portals/0/resources/pdf_z/052/MJ052-08-TK.pdf
隅弘子 一般社団法人日本こども成育協会食専科ディレクター・管理栄養士
【略歴】
mamaful(子育てが楽しめる支援をいっぱいに)を屋号に乳幼児を育てる保護者支援を中心に活動している。
都内子育て支援施設内での食事相談・離乳食教室の開催をはじめとして各種講座の講演や企画を行う。
子育て支援サイトや保育士求人サイト内でのコラム記事協力を行う。