こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
今回から”歯みがきが楽しみになるアプローチ” をテーマに、
ご家庭での歯みがき(口腔ケア)の関わり方を紹介してまいります。
今回は、「ママやパパの口ぐせが、歯みがき嫌いの原因!?」について
お話しますね。
歯科医院で子育て中のママ・パパからよく伺う困りごとは
”お子さんの歯みがき”についてです。
ご家庭で毎日の歯みがきに苦労している・むし歯にさせたくない、
また歯科医院ではそういったご相談にどうお答えしたらよいか…
もしかしたら、みなさんも毎日頭を悩ませていらっしゃるのではないでしょうか。
私は、お子さんの歯みがきについて保護者の方からご質問をいただいたとき
『お母さん・お父さんは歯みがきが好きですか? 歯医者さんは好きですか?』
と、まずはお尋ねします。
すると、ご相談者さんご自身も歯みがきが好きではなかったり、
面倒と感じているので、あまりちゃんと磨いていないかも…
と苦笑いされることが多いです。
そして、日々の生活の中でも歯みがきについて、
無意識にネガティブな表現になりがち…
そうすると、
◎ママの『疲れちゃった~歯みがき面倒だなぁ』は、
『歯みがきって面倒くさいんだ』に。
→ママも面倒くさがっているから僕も歯みがきしたくない!!
◎パパの『明日、歯医者か…苦手なんだよな…』は、
『歯医者さんって怖くて辛いところに』に。
→行きたくないし、痛いことをされるから怖い!
◎歯科医師・歯科衛生士の『痛くないから口開けて』は、
『噓だ!ママやパパは歯医者さん怖がってた』に。
→知らない人に口を見せたくないし、いつも歯みがきの時に
痛いことをされるんだ!!
このように、歯みがきや歯科医院について学習してしまいます。
私も歯みがきは面倒と感じる日もありますし、歯医者さんでの治療は大変ですね。
ポロっとつぶやいた一言は、悪気があって言っているわけではなく、
ついつい出てしまった心の声。
けれど、そういった言葉をお子さんはよく聞きよく見ています。
ママの口調を真似して、「私そっくりで恥ずかしくなっちゃた」なんて
経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
大人の行動を見聞き(観察)して、真似(模倣)をして
こどもは物事を経験し学んでいきます。
これは、”三項関係(さんこうかんけい)”といって、こどもの成長・発達の
大切なベースになのです。
特に、大好きなお母さんやお父さんの好き嫌いは、
こどもの好き嫌いや興味へとつながります。
大人の歯みがきに前向きな姿勢を見せることで、こどもが歯みがきに興味を持ち
『ママやパパと同じことをやってみたい』と感じられれば
歯みがきを受け入れることができます。
まずは、歯みがきの時間が楽しくなるような雰囲気作りを
心掛けてみるのはいかがでしょうか。
次回につづく。
宗田 香織
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。