こんにちは。
歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
9月に入り、暑さもだいぶ和らいで過ごしやすくなってきましたが、
まだまだ熱中症対策は気の抜けない時期です。
熱中症予防として手軽なスポーツドリンクや清涼飲料水。
お子さまも飲みやすい一方で、むし歯の心配も増えるのではないでしょうか。
熱中症対策とむし歯予防のバランスを取るのに苦戦されているかもしれない、
と今回のテーマにしました。
スポーツドリンクや清涼飲料水にはどのくらいの砂糖が入っているかについては
ご存知の方も多くなったかと思います。
例えば、500mlペットボトルのスポーツドリンクですと40g前後
スティックシュガー(3g)10本分程度入っています。
1日にどのくらいの量飲むか、数日もしくは毎日飲むかなどにもよりますが
飲料からこれだけの砂糖を摂取することは、砂糖摂取量としてはやはり過多。
摂取量の調整も必要です。
砂糖の摂取量が多い=むし歯になりやすい
つまり、甘い物が好きでたくさん食べる(飲む)からむし歯になると考えている方も
多いと思います。
しかしながら、むし歯との関係を考えると砂糖の摂取量以上に
摂取回数や摂取時間に注目するほうが大切です。
特に、外遊びやスポーツ中のスポーツドリンクや清涼飲料水の摂取は
“ちょこちょこ飲み”になることが多いですよね。
このことがむし歯のリスクが高まる要因のひとつとなります。
また、スポーツドリンクや清涼飲料水を日常的に飲むことが習慣になってしまうと
むし歯の菌にとっては好条件なお口になってしまいます。
むし歯は、糖分を摂取し口腔内のph(酸性度)が下がると
むし歯の菌が活発に活動し歯の表面(エナメル質)が溶かされます。
その状態が続くとむし歯になります。
通常の食生活(朝昼晩の3食)であれば、食事と食事の間が5〜6時間、
間食をしても3〜4時間は間隔があきます。
その間に唾液の緩衝能(phをもとに戻す力)が働き、歯みがきをすることで
むし歯になりにくい状態に戻ります。
けれど、スポーツドリンクや清涼飲料水は、遊びやスポーツの合間に
こまめに摂取することを推奨されます。
また、飲むたびに歯を磨くことはできません。
また、暑さやマスクをしていることもあり、唾液の分泌が少なくなったり
口腔内が乾きやすいもなります。
そうなると、むし歯になりやすい条件が揃ってしまいます。
熱中症予防としてスポーツドリンクや清涼飲料水を頻繁に飲む時期でも、
むし歯になりにくいようにする注意事項としては
1)大量に汗をかく時以外は水やお茶(無糖)のものにする
2)スポーツドリンクや清涼飲料水を飲んだら、水でぶくぶくうがいをして
口腔内に糖分を残さない
3)3食の食事と間食で糖分及び塩分をしっかり摂取する
4)よく噛んで食べることを習慣にして唾液がしっかり出るようにする
こどももおとなも、清涼飲料水やスポーツドリンクの摂り方を
少し工夫することで熱中症予防とむし歯予防の両立が可能です。
残暑もげんきに乗り切ってくださいね。
宗田 香織
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。