Webアプリ「オヤトコ診断」の開発ストーリー第二弾では、
開発者の一人である協会理事 大塚千夏子のストーリーをご紹介しています。
前回は、もうひとりの開発者である一般社団法人 NICCOT Partnersの代表理事 桑子和佳絵さんの参画により、
一気に形が見えてきた「オヤトコ診断」開発の流れについてお話ししました。
発達過程における「こどもの現在地」がわかる診断に―「オヤトコ診断」開発ストーリー(9)
今回は、「オヤトコ診断」が現在の形となるまでの歩みをご紹介します。
―お子さまの発達の方向性を示せる“地図”をつくりたい
大塚:『ママエゴグラム・パパエゴグラム』を開発、運営されていた桑子さんの参画により、
『こども発達スケール®』をベースにしたシステムの開発はスピードアップしていきました。
システムの開発を進めるうえで、初期の段階で着手した「データベース」の失敗を繰り返さないよう、
まずは私たちが思い描くサービスの形、イメージの明確化をしていくことが重要だと思い、取り組んでいきました。
その際に、大きな助けとなってくださったのが、桑子さんにご紹介いただいた開発会社である
株式会社ソニックガーデン代表取締役副社長の藤原士朗さんと取締役の西見公宏さんで、
特に西見さんには開発段階に入ってからはまるでチームメンバーの一員のように一緒に考えてもらいました。
西見さんは、「まず何を作りたいのか整理しましょう」という段階から、システムの完成にいたるまで、
ずっと伴走してくださっています。
『こども発達スケール®』では、こどもの成長・発達を「言語・論理・数量・図形・自然・社会・表現」
という7つの領域に区分しています。
そうした7つの領域におけるお子さまの「現在地」を、お母さまやお父さまにわかりやすく
お伝えできるシステムはどういったものなのか。
漠然とではありながら実現したい形をお伝えすると、西見さんからは「それをシステム化するなら、ここの部分を
もっと明確にしてみましょう」と、具体的に何を詰めるとシステム開発に入れるかをアドバイスくださいました。
その課題を開発チームで検討し、次のコンサルテーションに臨む。
そうしたやりとりを幾度も積み重ねながら、開発は進んでいきました。
特に、ターニングポイントとなったのは『マップ(MAP)』という概念が出てきたときです。
こどもの発達を「点」だけでなく、地図のような全体像の中での現在地として
お伝えするという方向性が明確になったのです。
「点」だけをお伝えすると、ご自身のお子さんと他のお子さんの「点」だけを比較して、
「うちの子は、ほかのお子さんと比べてお話ができない、数が全然覚えられていない」などと、
養育者の悩みの種を増やしかねません。
そうではなく、地図の中の現在地という見せ方であれば、お子さまの発達の大きな方向性を見据えながら、
ゆったりと構えてわが子を見守ることができる。
それこそが、「私たちが作りたいものだ!」という確信が次第に生まれていきました。
次回へ続く。