先日、『こども成育インストラクター《食専科》』第8期の講義パートがすべて終了しました。
オンラインという環境でしたが、会場受講と変わらぬ受講生のみなさんの熱気を感じられました。
それぞれの講義では、必ず質疑応答の時間を設けています。
講義の内容に関することはもちろん、日ごろのご自身の子育てや、保護者支援の現場で
実際に経験している悩みや困りごとが上がってきます。
そうした具体事例について、講師陣は即答する前に、
わかる限りでの情報を聴きだすというのが共通した姿勢です。
そして、聴いてみると、そうした悩み、困りごとの対象であるお子さんの状態や状況について、
案外と情報が不足していたと、受講生は認識します。
そこで講師たちは、まずはさらなる情報収集をするよう促します。
そのうえで、お子さんの状態や状況がよりよくなる可能性のある選択肢をいくつか提示するのです。
講座では、食を切り口にこどもの発達のさまざまな因子を紐解いていきます。
たとえば、悩みの筆頭に上がる「食べ物の好き嫌い」についても、単なる嗜好だけでなく、
認知の発達や口の発育といった要素までもが影響しているのだということがわかります。
目の前にある現象を一つの角度から見るのではなく、さまざまな角度から見ることによって、
マイナスに思えるようなことがお子さんの素晴らしい成長・発達の証として映るようになるのです。
これは「食」のみならず、ほかの分野でも同様です。
こどもの成長・発達に関した悩みや困りごとに、「これさえあれば」という解決策は
残念ながらないようです。
しかしながら、お子さんのことをより観察し、ポジティブな声がけや働きかけを続けることで、
思いもよらず解決する事例もあります。
ある受講生のエピソードでは、自宅で「ごはん食」を軸としたもぐもぐエクササイズを
お子さんと一緒にやりはじめたところ、それまで悩みの種だったお子さんの便秘が解消。
さらには、吃音も改善したという報告がありました。
「ごはん食」が便秘の解消につながるのはさておき、吃音の改善に効果があるかどうかは定かではありません。
けれど、ある生活習慣の変化が、思いもよらない産物につながることもあるようです。
そうした報告を聴くことが、本講座の何よりの楽しみですし、講師陣にとっては非常に嬉しい瞬間です。
第8期も残すところ、プレゼンテーション演習と資格取得試験のみとなりました。
こどもの認知発達に関する知見とスキル、そしてあたたかな眼差しを持った
「こども成育インストラクター」の新たな誕生を待ち遠しく思いながら、事務局も準備を進めています。