2歳と3歳では大きな差がある―頭に思い浮かべる力

こどもの認知発達のスペシャリスト沢井佳子先生と、料理芸人で自らも3歳と5歳のお子さんのパパである

クック井上。さんのトークショーレポート第2弾で

お伝えるしている23歳の「イヤイヤ期」。

 

これまでの記事はこちら

▷イヤイヤ期おめでとうーソノママホリデー 沢井佳子先生トークショーより

▷イヤイヤ期には、ママは「戦略家」たれ!

▷2、3歳児はものまね上手

▷学力にも差がつくー家庭での言葉の重要性

 

ひとくくりに2~3歳期の「イヤイヤ期」としてきましたが、

この時期のお子さまの成長・発達は急速です。

2歳児と3歳児では「ものすごい差がある」と沢井先生は言います。

 

特に顕著なのが「表象能力」という、頭に思い浮かべる力です。

お子さまに話をするときに、「話を分かってくれているな。

この子の頭の中に浮かんでいることは、いま私が話しながら頭に

浮かべていることと似ているな、同じだな」という感覚があるかということです。

 

こうした表象能力が3歳頃になると急激に上がるのです。

 

たとえば、生まれ持った持病があるお子さまがいて、手術が必要な場合、

急を要しないのであれば赤ちゃんのころではなくて

「3歳になったら入院して手術しましょう」となるケースが多くあります。

 

手術のためにある程度身体が大きくなっていたほうが、

手術がしやすいという理由もありますが、お子さまの心理的な問題も

非常に重要視しているのです。

 

入院をするとなると、お母さまと離れて一人で病室で寝なければならない

ということもあります。

それは、お子さまにとって非常に寂しく、ストレスがかかることです。

 

そうした際に、「あと5回病院で寝たらその後はお家に帰れるよ。

それまでは寂しいかもしれないけれど、少しがんばって我慢してみようね」と

伝えたとします。

 

2歳児ですと、「がんばる」と答えるものの、いざお母さまが帰る時に

「なんでママ帰っちゃうの」と、実は状況がよく理解できていなかったことが

わかるというケースが多いのです。

 

3歳児では、寂しさに泣いてしまったとしても、「あと5回なのだ」ということが

理解できているから、がまんができるというわけです。

 

先のことが理解できるから、順番を待つことができるというのは、

「ものすごい認知の力」だと沢井先生は仰います。

 

おとなからすればたった1年の違いですが、こどもにはこうした認知力の差が

あるのだということを理解しておくことがとても大切なのです。