「こども成育インストラクター〈食専科〉」第3期生で、歯科衛生士として長年のキャリアを持つ宗田香織先生。
現在、「こども成育インストラクター〈食専科〉」のアンバサダーとして活躍しています。
歯科の現場でも、お母さん方の「お子さんのお口に関するお悩み」がよく聞かれます。
そうしたお悩みについて、歯科衛生士、そしてこども成育インストラクターの目線から有効なアドバイスを宗田先生がお伝えします!
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今回のテーマ:こどものおやつ
こんにちは。こども成育インストラクターの宗田香織です。
花粉症の方にはつらい季節になりましたが皆さんいかがお過ごしですか?
私は先日、日本こども成育協会オープンデーで、「げんき食サポーター講座 パート1 こどもの好き嫌いには理由(ワケ)がある」をお話しさせていただきました。
その際、参加者の方(1歳半のお孫さんがいらっしゃるおばあちゃま)から
「甘い物ばかりを欲しがるので心配です。虫歯が心配だけれど…でも母乳も甘いから自然なことなのかしら?」
というご質問をいただきました。
実はこのご質問、歯科衛生士としても沢山の患者さんから相談を受ける内容なのです。
それだけ多くのママ・パパ・おばあちゃま方が心配されていることなのではないでしょうか。
そこで今日は “おやつ” について考えてみましょう。
おとながイメージするおやつは、“ご褒美タイム” “お仕事中の一休み” “お菓子” “スイーツ” など、気分転換や甘い物、というイメージが大きいですよね。
では、こどもにとってのおやつとは…
ズバリ!!! “間食”
つまり、身体と心を成長させるため・生命を維持するための食事なのです。
特に5歳頃までのこどもの身体はめまぐるしく成長する時期ではありますが、胃の大きさも小さく、また消化機能も未熟であるため、一日に必要な分の栄養を3回の食事ではすべてを摂りきることが出来ません。
それを補うためにあるのが、「おやつ=間食」なのです。
ですので、おやつに何を食べているか・食べさせているかは、こどもの成長と切り離せない大切なものなのです。
三大栄養素の炭水化物・たんぱく質・脂質(カロリーを持つ物)のうち、特に炭水化物は一日3回の食事で必要量の全て摂りきることが難しいので、おやつで補うことが望ましいのです。
その炭水化物は糖質とも呼ばれ、数年前からおとなの間では成人病予防のため摂取制限を推奨されていたため、お子さんにも制限しているご家庭は少なくないのではないでしょうか。
しかし 、前述した通り5歳くらいまでのこどもは身体をどんどん成長させる時期なので、必要な栄養素を制限することは反ってリスクになってしまう事もあるのです。
お子さんの身体の状況に応じて摂取量を調整することが望ましいですね。
また、冒頭ご紹介したおばあちゃまの様に、人の味覚(5味)のうち味覚は、母乳のほのかな甘みを赤ちゃんが抵抗なくゴクゴク飲むように、“安全な食物というシグナル”で人が生得的に好む味なのです。
そこで こどものおやつのポイントは
*おやつ=お菓子・甘い物 ではなく食事の一部になる様なものが適している
*自然な甘み・咬んでいるとだんだん甘くなってくる食材で、楽しみな時間であること
*忙しいママ・パパの準備の負担にならないようなメニューであること
私たちこども成育インストラクターがオススメする、“おにぎり”をメニューに取り入れるのはいかがでしょうか。
特に雑穀入りのおにぎりは、ビタミンや食物繊維が豊富に摂れるので、野菜などの好き嫌いも補えますね。
食品用ラップなどで包んで握ったり、百円ショップなどで販売しているおにぎりグッズなどを利用することで準備の手間が省け、さらにおやつタイムを利用した三項関係(※)の取り組みの一助になりそうですね。
※三項関係について詳しくは ➡ 「三項関係でお子さんとママの上手な歯ブラシの選び方」
虫歯に繋がりにくいおやつのポイントとしても
*糖分の少ない物
*よく咬んで食べるもの=たくさん唾液が出る食材
で、おにぎりの他にも咀嚼回数が増えるリンゴやパイナップルなど食材に硬さがあり繊維の豊富な果物、ふかしイモなど調理の段階で脂質など添加物が少なく食材そのものを味わえるものなどもオススメです。
こどものおやつは、“食事”として捉え特に炭水化物の摂取を補えるもの、また、ママ・パパの手間が少なく家族で楽しめる時間であるように…という視点で明日からのおやつを選んでみませんか。