昨年4月より、「こども成育インストラクター講座<食専科>」のディレクターであり、「健康食育」の講座も担当している隅弘子先生が、月刊誌『こどもの栄養』(公益財団法人 児童育成協会発行)にて、連載をしています。
児童育成協会様にご快諾いただき、連載の内容を当協会でのブログでも公開することになりました。「こども成育インストラクター講座<食専科>」をベースとした連載ですので、本講座のエッセンスがギュッと詰まっています。
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今回はげんき食の3つ目のポイントとなる「どんどん出す」がテーマです。
「いただきます」をしたその後の「食べ方」によってうんちの出方、出し方が変わってきます。
この食べ方については、お子さんへの習慣付けはもちろん、普段大人が忘れている視点でもあります。
◆おうちで意識すべき点は「食べることと食べた後」がつながっているか?
仕事から帰宅後、急いで夕食の支度をし、少しでも早くお子さんに食べさせなくては!とお母さんは目の回るような忙しさの連続でしょう。
前回の「成長・発達に必要なエネルギーと体の材料を叶える食事バランスは、シンプルな組み合わせで作ることができる」というアドバイスを伝える機会はありましたか?
今後も皆様のご支援により、お母さんの食事作りのストレスや不安が少し軽くなり、食卓が楽しく囲める家庭が増えることを期待しています。
さて今回の本題「どんどん出す」に入ります。
「どんどん出す」ために重要なのは、実は「咀嚼(そしゃく)」です。
食べものを口に運んだ後は自動的に栄養が体に染み渡るわけではありません。
消化吸収の中で、唯一自分の意思でコントロールできる器官が口であり、その行動が「そしゃく」です。
この力を鍛える事で、食べるから始まる消化と吸収を高める方法は、「げんきを保つ食べ方、食べる力」をさらに高めます。
◆「食べる➡出す」は連携プレー。食べることからどんどん鍛えましょう!
下の図のように、食べものの入口は「口」です。
口から入った食べものは食道、胃、小腸、大腸を通過して、肛門という出口から「うんち」となって体外に排出されます。
つまり、食べものは口に入れたらおしまいではありません。
食べたものから新たな細胞を作り、古くなった細胞(老廃物)との交換が常に体内では行われているのです。
乳幼児の食育を考える上で大切なのは、この一連の流れに見合った食事の考え方を軸にしていることです。
また、げんき食の実践でも、「食べる➡出す」の連携プレーは欠かせません。
現に、最近では子どもの便秘に関する相談も増えています。
腸にいい食べものだけを考えるのではなく、「食べる➡出す」の一連の流れをふりかえるようなアドバイスも必要でしょう。
毎日食べて、毎日出すといった流れは日々の食事で鍛えていくことができます。
皆様からもお母さんに「そしゃくのおけいこ」を実践することをアドバイスしてください。
げんき食実践の3つのポイント③-1 -どんどん出すためのおけいこ~食べものの入り口からみつめなおす~【2回目】につづく