「こども成育インストラクター〈食専科〉」第3期生で、歯科衛生士として長年のキャリアを持つ宗田香織先生。今秋より、「こども成育インストラクター〈食専科〉」のアンバサダーとして活躍しています。
歯科の現場でも、お母さん方の「お子さんのお口に関するお悩み」がよく聞かれます。そうしたお悩みについて、歯科衛生士、そしてこども成育インストラクターの目線から有効なアドバイスを宗田先生がお伝えします!
***********
今回のテーマ:歯みがき
「仕上げ歯みがきさせてくれない」
「きちんと歯みがきしない」
お母さん達の困りごとの1つとして
良く話題になるのではないでしょうか?
それでは…
お母さんは歯みがき好きですか?
毎日楽しんで歯みがきしていますか?
忙しい子育ての中では、とかく自分の事は後回しになってしまうもの。
歯みがきの時間も惜しいところですよね。
でも、そうしたときにお母さんが発する
「歯みがきしなきゃ…」
「歯みがき面倒くさいなぁ」
といった一言で、お子さんはしっかり学習しているのです。
私たちこども成育インストラクターは、発達心理という観点から子どもの成長発達を観察しています。
子どもが日々様々な物事をどうやって学んでいくか…
大好きな人(たとえばお母さん)に注目をし、その人がしていることを見て、それをまね(模倣 )しながら学んでいきます。
このことを専門用語では、「三項関係」と言います。
そして、『好き』に繋がるポイントは、まね(模倣)される人=お母さんが、ポジティブであること!
こども達は、大好きな人の楽しそうに取り組んでいることは興味を持ち、やってみたいと意欲的に向き合い上達しようと工夫します。
大好きなお母さんが好きなことは、子どもも大好きになるのです。
お母さんが誉めてくれると嬉しくて、「毎日したい!」と思います。
虫歯の心配から歯みがきはついつい強制的になりがちですが、萌出したての乳歯は歯小嚢(ししょうのう)という膜に守られています。
1日2日磨けなかったからといってすぐに虫歯にはなりません。
また、唾液が沢山出ることでも汚れを流してくれます。
まずは、ママが「歯みがき気持ち良いなぁ」「さっぱりした~」と、お話しすることから始めてみてください。
お子さんが興味を持ったら、お子さんにも歯ブラシを持たせてあげましょう。
もちろん、自分では磨けないので遊びのひとつとして楽しむのが目的です。
喉突きなどを防ぐ為に、
・安全な歯ブラシを選択する
・ママが必ず見守る
という2点を大切にしてください。
そして、ママのお膝にゴロンと出来たら
「○○ちゃんの頬っぺ気持ちいいなぁ」
「歯みがきするとお口がさっぱりして気持ち良いね」
「○○ちゃんの歯、ピカピカで綺麗ね!」など、ポジティブな声かけを沢山してあげてください。
押さえつけずに、優しくさわってあげることで嬉しいスキンシップにもなりますね。
最後に、ハグして誉めてあげることも忘れないでくださいね。
ママの大好きは子どもの大好きに…
“三項関係”を通して
ママもお子さんもたくさんの『好き』を育んでいけると良いですね。