野菜を食べてくれない
おいしく作ったはずなのに食べてくれない
前は食べたのに急に食べなくなった
バナナやお菓子は食べるのに・・・
◆どうして「嫌い」なのかな? ―いやいやになりやすい3つのこと
先月の知識編でも触れた内容もありますが、「嫌い」を認識するためには嫌いになりゃすい味(経験を重ねて食べられるようになる)以外にも(2)、(3)を経験、もしくは一緒に経験したことで決まるといわれています。
「嫌い」と認識しやすい3つの経験・体験
(1)もともと嫌いになりやすい味:苦味・酸味で口の中が不快になる
(2)食べたことがないもの:新規性恐怖からの「食わず嫌い」
(3)いやな経験を伴ったとき
(1)は先月号でもお伝えした通り、こどもの味覚と大人の味覚が異なるという点。そして、(2)は「食べてみたいけど…食べたくない、食べるのが怖い」といった心の中でのジレンマが、「嫌い」になっていく「食物嫌悪学習」といわれるガルシアの研究で示されています。
食物嫌悪学習とは…
ある食べものを口にした後に嘔吐、吐き気、腹痛などの症状を感じると、たった一度の出来事であっても、その記憶が長くとどめられることで、その食べものに嫌悪感、つまり「嫌い」と感じるようになること
これは命を守る防御反応の一つと捉えることも出来ます。けれど、「今までは食べてくれていたのにある日突然、食べなくなった」ということはありませんか?
乳幼児期の食事では、「食べムラ」が起こるということもありますが、味以外の要素で「たった1回」の(いやと感じた)学習が「嫌い」の要因になることもあるのです。ママにとってはささいなことであったかもしれませんが、こどもにとっては恐怖され感じるような経験だったというケースもあります。
◆もしかしたら大人が「嫌いの定着」の手助けをしてしまっているケースも!
(3)のいやな経験を伴った時とは、実は大人が後押ししてしまうこともあります。「食べてほしい」というママの思いが強いがゆえに、食卓での一言が災いとなってしまうケースです。ふと口に出してしまったセリフ、みなさんも経験ありませんか? このようなセリフ時の表情は鬼の形相だとしたら…さらに恐怖倍増の経験が「嫌いの定着」を生むのです。
げんきをつくる食卓 保護者支援のために-「好きになっちゃった!」を生み出す食べ物体験を一緒に!【実践編】②につづく