こんにちは!理事の大塚千夏子です。
今回は、2月に行われた沢井佳子先生の講演をレポートします。
■子どもの個性を育てる「発達」と「遊び」
2022年2月26日、品川区の令和7年度ウェルビーイング・SDGs推進事業
エフバイタル株式会社による講演・ワークショップが開催されました。
講演は、日本こども成育協会理事であり、「ひらけ!ポンキッキ」や「しまじろう」の監修でも知られる発達心理学者・沢井佳子先生。
テーマは「子どもの個性を活かした遊びと学び」。
認知科学の知見と、日々の子育てに寄り添う視点が印象的な講演でした。
約30分の先生のお話しのポイントをまとめました。
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まず押さえたいのが言葉の定義です。
- 成長:身長や体重など、量の変化
- 発達:できることが増える、質の変化
体が大きくなっていても、情動と行動のステップはどうか?
この視点を持つことで、より解像度の高い視点で見守ることができます。
■幼児期に大切な3つの視点
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① 愛着と模倣
子どもは「大好きな人」を真似ることで学びます。
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例えば、
生まれたばかりの赤ちゃんに「あっかんべー!」をしてみると
まだ超近視の赤ちゃんの視界に入るように20~30センチまで近づいて
口を大きく開けて舌を「べー!」っと何度か出してみると、
あかちゃんはもごもごと口を動かして
舌を出したり出そうとしたりします。
今、生まれて来たばかりの赤ちゃんも
見ているものと自分の体の部位を一致させて
「真似をする」ことできるのは驚きです。
沢井先生が弊協会の研修プログラムの講義でいつもお話しされているのは
あかちゃんは「有能」
であるということ。
あかちゃんは
何もわからない、真っ白な存在、だからお世話が大変、
しっかり教えこまなければ…
と眉間にしわを寄せて接するよりも
明るく呼びかけたり、返事をしたりするような
何気ない和やかなやり取りからも
膨大な情報を学び取っている
ということを知っている方が、
あかちゃんに接する気持ちが前向きに明るくなりますね。

たった30分でしたが、下記のポイントも含めて
参加した保護者にとっては
「大きく視野が広がる」講演でした。
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② 発達には順番がある
「何歳だからできる」ではなく、
「このステップができたから次へ」という理解で子どもを見る
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他の子どもが自分の子どもよりも早く何かができているのを見ると
親は焦るものです。
けれども、見比べるべきは2週間前の
「自分の子どもの状態」
であり
その時よりも何ができるようになっているか、
に注目したいものです。
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③ 発達の領域は関わり合っている
沢井先生が分類し設定した発達の7つの領域
言語・社会性・身体・論理・数量・空間・表現
は、すべて連動している
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お友達とおもちゃを使う順番を待つのも
論理的理解の発達が進むとできるようになります。
例えば、青・赤・青・赤・青 次は何かな?と聞いて「赤!」となれば
法則性が論理的に分かるようになったということです。
そして、
順番を守るという「社会性」と
そこに考えのやり取り「言語」「表現」があり
何番目かな?という「数量」の概念など、複数の領域が関わり合って
子どもは社会のルールを体験的に理解することができるようになる。
発達の段階を考えて、今起こっていることを見ると、
「言って聞かせる」「叱る」前に、何から働きかけるかが見えてくるでしょう。
※書籍「6歳までの子育て大全」参照

■個性は「裾野」で決まる
沢井先生は発達を「富士山」に例えてお話しされていました。
「高い山頂(個性)は、広い裾野(多様な経験)が支えている」
文字や数字のような狭い部分をだけを伸ばそうとしても、
ぽきっと折れてしまうけれど、
幼児のうちにきょろきょろと幅広い体験して
経験の裾野を広げておけば
将来、これが面白い!これが楽しい!から伸びていく土台になる、
とのことです。
あちこち興味が移り変わることも大切な経験です。
子どから生まれる「強み」も「弱み(心配事)」も富士山の裾野の一部、
というお話から、
保護者の子育ての視野が「富士山」という大きなスケールに広がったと感じました。

■子育ては「一緒に発達する」こと
最後に保護者に向けて
沢井先生はこのような提案をして30分の講演を締めくくりました。
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「子育ての記憶は、意外と早く消えてしまう。だから記録を」
子どもは成長・発達していく中で、
少し前の今より幼い自分の記録を見たり聞いたりして喜びます。
それを一緒に見る時間は親子にとっての大切な宝物になります。
親もまた、発達の途中にいます。
完璧である必要はありません。
富士山の裾野を眺めるように、
日々の小さな変化を楽しんでいきましょう。
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※発達の領域を簡素化して一覧できる図表を
沢井先生編著の「6歳までの子育て大全(アチーブメント出版)」でご覧いただけます。


