花粉症と食べものの関係、そして口腔ケア

こんにちは歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。

 

今週末、関東では桜を楽しむために外出する人が多いのではないでしょうか。

しかし、花粉飛散情報を見ると、スギ花粉はいまだに「非常に多い」と表示されています。
そして、次にやってくるのはカバノキ科の植物の花粉症です。

一年中誰かが花粉のアレルギーに苦しんでいると言ってもいいでしょう。

そこで、今回は日本人の国民病とも言うべき花粉症に関係する口腔内の変化や対策についてお伝えします。

 

■鼻・目だけではない!花粉により引き起こされる口腔粘膜の炎症

代表的な鼻水・くしゃみ・のどのイガイガ・目の痒みなどの症状は、
花粉によって引き起こされる粘膜の炎症が原因です。

口にも、唇・歯茎・頬の内側・上あご(口蓋)・舌・のど(咽頭蓋・咽頭)
などの粘膜があります。

実は、この口腔粘膜も花粉症の影響を受けます。

花粉そのもので起こる症状としては、
赤み(発赤)・腫れぼったい感じ(腫脹)、
口の中のイガイガとした違和感・舌の痒み、などです。

歯科医院を受診する患者さんに、この事をお伝えすると

「花粉症って鼻だけじゃないんだ!」 
「確かに、この時期は毎年口の中がムズムズ?変な感じがしていました。」

と口の中の症状も花粉症によるものだということに
驚かれる方は少なくないです。

対応策を今回のブログ内でご紹介しますが、
このような口の中の症状がある方は歯科受診の際にも相談すると良いでしょう。

 

■花粉-食物アレルギー症候群
(Pollen Food Allergy Syndrome, PFAS)による口腔アレルギー症候群(OAS)】

まず、アレルギーについて説明しましょう(図1を参照)

体内に入ってきたアレルゲン(抗原:花粉症の場合はスギやヒノキなどの花粉)に
体内の抗体(IgE抗体)が反応することによって発現する症状
(前述した、鼻水・くしゃみなど)です。

 

 

 

 

 

 

 

口腔アレルギー症候群(OAS)は、

花粉症の症状がある人が花粉に似た抗原をもつ野菜や
果物を摂取するによって起こる(交差反応)症状です。
これを花粉-食物アレルギー症候群と言います。

つまり、①同様に花粉症で口にも症状が起こる事は珍しくないのです。

口腔アレルギー症候群は
新鮮な野菜や果物・生食で起こりやすいものです。

なので、加熱処理によりタンパク質が変性していれば
アレルギー反応を抑えられる傾向が高いです。

それぞれの花粉に関連する食物で起こるので
花粉症状が強い時は、
相関関係にある食物の摂取や生食を避けることで
口腔アレルギー症候群を回避できます。

例えば、花粉症がスギ花粉で発症している場合は
トマトで口腔アレルギー症候群が起こるので、
スギ花粉症のシーズン2〜4月はトマトの生食を避けるなど
工夫をすると良いです。

お子さんはこの相関関係がわからず、

食事や食後体調に異変があっても
親や周りの大人に上手く伝えられないケースが多いので、
ご家庭でも園でも大人が知っておき、
食材の中にアレルゲンとなり得る食材がなかったか確認すると
医療機関に受診する際も有用です。

 

 

 

■抗アレルギー剤による副作用

抗アレルギー薬の中で特に
第1世代抗ヒスタミン薬や一部の第2世代抗ヒスタミン薬は
鼻水を止める作用があります。

鼻水=体液、の分泌を抑える作用のため
副作用として唾液の分泌も少なくなります。

唾液の分泌が少ないことで、

・口の乾燥

・長期的に続くことでドライマウス

・口臭

・ネバつき

・口内炎や傷(擦過傷)になりやすい、複数できる

・歯周病やむし歯の増加

・早食い

・味覚が鈍くなる(濃い味の物を欲する→長期化することで生活習慣病への影響)

・歯磨剤やうがい薬が沁みて痛い

 

などに繋がります。

 

■花粉症の時期の口腔の対策、抗アレルギー剤を長期的に服用する場合の注意点

・普段以上に水分摂取を心がける

・よく噛んでゆっくり食べる

・“あいうべ体操”や“舌の運動”を意識的に行う

・ぶくぶくうがいの頻度を上げる(エアーでも良い)

・歯みがきの時に優しく磨く

・歯磨剤やうがい薬をマイルドな物に変える

など、

以上のポイントを意識して花粉症のシーズンを
できるだけ快適に過ごせますように工夫を重ねてみてください

 

参考文献

アレルギー相談室 @熊本県アレルギー疾患対策拠点病院
アレルギーって何?
https://www.kumallergy.jp/about/

みんなのアレルギー情報室Webサイト
https://www.jspaci.jp/guide2021/jgfa2021_14.html

口腔アレルギー症候群診療ガイドライン
作成:日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
(口腔アレルギー症候群診療ガイドライン作成委員会)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jiaio/5/3/5_85/_pdf

<当記事執筆者プロフィール>

宗田 香織(歯科衛生士)

1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。

2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・

インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。

2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉として活動中。

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