歯科衛生士目線:ペットボトルの気になる飲み方

こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。

突然ですが質問です。
コップから水を飲む方法を教えてください。

と、聞かれて、その方法を説明できる人はどのくらいいるでしょうか。

実際に、コップに口をつけて、ごくりと飲み込むまで手順を考えると
意外といろいろなことを行っていることに気づきます。

飲み物を飲む時の口の動きは、

◎コップの飲み口の下側に下唇をつける

◎上唇は飲み口には付かない状態で少しすぼめる

◎コップを斜めにしてすぼめた唇に合わせて液体を流し込む

◎下唇で飲み口から飲み物をこぼさず口へ運ぶ

◎上唇で飲み物の温度、粘性、を感知し、流し込む量などを調整する

こうした手続きを経て
唇や口腔内の粘膜の火傷や誤嚥の防止をしながら安全に飲み物を摂取しています。

 

 

■ペットボトルで飲み方が変わった?

今は外出先でも、気軽に好きな飲み物を手に入れて街角で飲み物を飲むことができます。
それは、ペットボトルという蓋つきの持ち運びに便利な容器があるからです。

いつでも水分補給ができるようにカバンの中にいつも1本入れて持ち歩いている人も多いでしょう。

子どもの習い事やスポーツの活動においても、飲水タイムを設けて
ペットボトルから水分を摂取することが増えました。

コロナ禍前であれば、1本のペットボトルで回し飲みすることも。
口をつけずに飲む技を習得している子どもの姿もよく見かけました。

そうした背景から、
ここ数年でペットボトルからの飲み方に「気になる傾向」が見て取れます。

▲下唇は飲み口についているが口を大きく開けて流し込む

 →大量の飲み物が一気に入る→むせる

▲ペットボトルの縁全体に唇全体をつけて吸うようにして飲む

 →口の中の細菌がペットボトル内に大量に入る

 

歯科衛生士目線でとても気になる飲み方です。

ひとつは、唇の動きを使って調節しながら飲む口腔機能が育たないリスク。

もう一つは衛生面のリスクです。

こういった飲み方をしたペットボトルを長時間放置したり
炎天下で保管していたりしてしまうとどうなるでしょうか?

たくさんの種類の細菌が莫大に増殖します。

 

「水を飲む」

大人も子どもも、
むし歯だけではなく様々な健康リスクに繋がるので飲み方の基本を改めて確認しておくと良いですね。

 

 <当記事執筆者プロフィール>

宗田 香織(歯科衛生士)

1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。

2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・

インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。

2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。

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