こんにちは、
歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
長く暑い夏が終わり、朝晩は気温がぐっと低くなり秋めいてきました。
外での活動がしやすい気候となりスポーツや行楽にも良い季節柄、
真夏の熱中症対策に用いたスポーツドリンクを引き続き飲む機会が
多くなるのではないでしょうか。
そこで今回のブログではスポーツドリンクとむし歯予防の
両立についてお伝えします。
【スポーツドリンクの摂取目的とは?】
スポーツドリンクは激しい運動をする時、酷暑での外出、体調不良等で食欲低下時などに
・水分
・電解質
・エネルギー(糖分)
この3つを補給することを目的として作られています。
飲みやすくするため糖分の割合が高い商品が多く、
市販のスポーツドリンク500mlペットボトルに含まれる糖質は20〜40gで、なんと、角砂糖 約10個分 にもなる量です。
そのため、
体調が良く毎日の食事で十分栄養素が摂れているのに、水分補給の目的でスポーツドリンクを摂取すると糖分の過剰摂取に繋がります。
気温が高くなる前の時期から熱中症の予防として飲み始めると、日常的にスポーツドリンクを飲む習慣がついてしまい、年間を通してダラダラと摂取することになり兼ねません。
さっぱりとしているフレーバーではありますが、糖質は多く、口腔内環境を悪くさせる要因になり、むし歯のリスクが高まるという懸念があります。
“水替わりに飲む”のは避けるようにしましょう。

【目的別飲み物の選び方】
どんな時に何を飲んだら良いか?
シチュエーション毎におすすめの飲み物の例を挙げてみましょう。
■激しい運動時、猛暑や酷暑での外出時
→スポーツドリンク
水分・電解質・エネルギーを補給する
■軽い運動時、日常生活
→水やお茶
水分補給を目的として、電解質やエネルギーは食事から摂るようにする
■熱中症の初期症状がみられる時
→経口補水液
スポーツドリンクより塩分・カリウムが豊富で糖質が少ない
身体への吸収が早い
【元気に活動することと、むし歯予防を両立させるためのポイント】
スポーツドリンクには大量の糖分が含まれていることと併せて、運動時は、口にする回数が多くなり、むし歯のリスクが高まります。
スポーツ・外遊びなどの運動で活動量が増えたときに上手に取り入れながら下記のポイントに気を付けてケアをしましょう。
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◎スポーツドリンクを飲んだ後はぶくぶくうがい
→口の中にスポーツドリンクが残らないようにする
◎激しい運動時以外の水分摂取は水やお茶にする
◎食事で十分な栄養摂取を心がける
◎液体が入りこみやすい歯と歯の隙間に注目しよう
→歯みがき時、歯ブラシだけではなくワンタフトブラシやフロスなどで噛み合わせの面や歯と歯の間の細かいところまで良く磨く
◎フッ素入りの歯磨剤(歯みがき粉)やフッ素ジェルで歯質の強化をする
◎定期的に歯科医院を受診して歯科医師・歯科衛生士に点検とクリーニングをしてもらう
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スポーツや行楽に良い季節となりました。
水分補給と口腔ケアの関わりに着目しながら、園でも、家族でも、健康・健口にお過ごしください。
<当記事執筆者プロフィール>

宗田 香織(歯科衛生士)
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。

